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気がつけば一周年

2009/08/19 22:51 Category:日記、雑記
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十世紀初頭の作家で、代表作に「月と六ペンス」などがあるサマセット・モームがこんなことを聞かれた。
「今までの作家人生で、一番うれしかったことは何ですか?」
 彼は答えた。
「戦場にいる兵士から『あなたの本をはじめて辞書の世話にならずに読破しました』と手紙が来たときだ」
 常日頃から読み易さと物語性に重きを置いてきた、彼なればこそ感じた至福であったのだろう。

 昨日ブログのネタを探していて気づいた。このブログをはじめて、もう一年になっていたようだ。
 開設当初から、他のプレイ日記やレビュー記事とはちょっと違った「読み応え」のある文章にこだわってきた我がブログではある。しかし気恥ずかしさを押して過去の原稿を省みれば、小難しく書きすぎじゃないかと自省するときもないではない。
 さりとて耳慣れた言葉や言い回しや口語体などを多用しすぎると、伝えたい中身の重さまで軽くなりかねない。読みやすくあるべきか読み応えに固執すべきか。泉下の先人に教えを請いたいときもある。
 この「泉下(せんか)」という言葉にしてもそうだ。泉下とはよみ(黄泉)の下、つまりあの世のことなのだが、常用的に使われている言葉かと問われると、さてどうだろう。
 かといって「あの世の先生」と書くと、どこか語感がよろしくないし、「草葉の陰」を巨匠に使うのは、いささか気安すぎて気が引ける。
 語感や字数から言っても、やはり泉下という言葉を使いたくなってしまうのだ。(言い訳)

 物書きをする人からよく聞くのだが、斜め読みする読者が多いというのだ。近年叫ばれる活字離れと相俟って、文章の読み違えが増えているという。
 確かに雑誌等で長い文を見かけると、あまり目をやりたがらない自分がいたりもする。しかし書き手はあくまで文章全体を見渡し、一文字ずつ彫り上げていくものだ。斜め読み用の文章など存在せず、斜め読みで把握できる内容も存在しないのだ。

 読書を旅にたとえることがある。特急列車の廃止やリニアモーターカーの誕生など、旅情もどこか忙しなくなりつつある。
 長編小説を勧める訳ではない。一目で見渡せる文章くらいは、のんびりじっくり読んでみていただきたい。難しい言葉や言い回しに出会うこともあろうが、初めて見る景色や味わう味覚にに出会えるのも、旅の楽しみである
 秒進日歩のネットの片隅で、鈍行列車のような文章にこだわって行きたいと、小さく心に誓っている。

 しかしいつか職場にいるサラリーマンから『あなたのブログをはじめてグーグルの世話にならずに読破しました』とメールが来たりしたら、嬉しいような怖いような…。
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サマセット・モームが「月と6ペンス」を書いていた頃は、ちょうどWW1の真っ最中になりますね。その頃の兵士は塹壕で哲学書を読んでいたと聞きますから、青年たちの素養の高さが伺えます。

さておき、文章の「読み応え」は果たして「耳慣れた言葉」や「口語体」に左右されてしまうのでしょうか ―Atusiさんの文章を否定するつもりはありませんし、むしろ読み応えのある整然としたものだと思います― 例として正しいかはお任せしますが、耳慣れた言葉や言い回しを避けたのが三島由紀夫だとすると、その逆が吉田健一でしょう。クリシェを避けることは、ときに空疎な文章を生んでしまう、という事です。

その中身より「更新頻度」が重視される時勢に、鈍行列車のように文章を書き連ねることは、毎日吐き捨てられる言葉たちへの反逆です。しかし、いまそれは必要な事だと思います。これからもどうぞこのままで。
[ 2009/08/20 22:58 ] [ 編集 ]
 いやはや勿体無いお言葉、恐縮でございます。
 脆弱な中身を立派な言葉で飾ろうという、安い蕎麦屋の天丼みたいな目論見がばれないよう、日々わが身に鞭打っておりますw
 これからも宜しくお付き合いください。
[ 2009/08/20 23:27 ] [ 編集 ]
1周年おめでとうございます。ここまで硬派だと安易にコメントも・・これからも陰ながら応援させてもらいやす。
[ 2009/08/21 10:09 ] [ 編集 ]
ありがとうございます
いやいや安易にコメントしていただかないとむしろ歯止めが効かなくなr

が、がんばります(^^;
[ 2009/08/21 17:22 ] [ 編集 ]
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