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雑感・BIOSHOCK

2009/07/08 21:57 Category:ソフトレビュー
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bio
なたはヴェルヌが好きだろうか?それともウェルスが好きだろうか?
 唐突に何のことだと思われた方のために解説すると、両者ともSF小説の祖と言うべき人物である。
 ヴェルヌは「月世界旅行」「八十日間世界一周」「海底2万マイル」などを発表し、対するウェルスは「透明人間」「宇宙戦争」「タイムマシン」などを発表した。
 ざっと見比べていただいてもわかるように、ヴェルヌの作品は今現在ではありえない話ではない。しかしウェルスの物語は、今もってなお不可思議である。
 現実に存在する科学技術の延長線上を辿るSFと、それを越えるものを描くSF。どちらもSFの醍醐味であるが、さてこのゲームはどちらに分類したらよかろう。

 1960年。大西洋上空を飛行していた大型旅客機が突如墜落。運よく生き延びた主人公ジャックは、洋上にぽつんと立つ灯台に流れ着く。
 恐る恐る中へ踏み込むと、見たこともない潜水艇が鎮座していた。ジャックがそれを起動させると、瞬く間に海深くへジャックを誘った。
 そこには科学者ライアンが生み出した、世界中の科学者や技術者や芸術家たちが、国家や宗教の縛りを恐れず、自由に活動ができる海底都市があった。その名はラプチャー(狂喜)
 しかしジャックが降り立ったそこは、崩壊と浸水にまみれ、武装した狂人が跋扈する狂気の都市であった。
 ジャックはアトラスと名乗る住人の協力を得、ラプチャーからの脱出を試みる。その先に、凄惨な運命が待ち構えているとも知らず…。

 このゲームの最大の特徴は、やはり独特の世界観と恐怖演出の秀逸さであろう。
 特に脱出を目的に置いたゲームでは、容易に脱出を許さない状況が不可欠となる。窓を開けて飛び降りれば逃げ出せるような場所ではスリルがなくなってしまう。
 そこで海底都市という舞台がうってつけなのだ。窓を開けたらえらい目にあうし、脱出方法はかなり限定される。
 加えてローテクで作り上げたハイパーテクノロジーの都市は、まさにヴェルヌが描いた延長線上の空想世界そのもの。よくこんな構造で深海の水圧に耐えられるなぁ、なんて考えたら負けなのだ。
 かと思えば、ウミウシから抽出された物質「ADAM」によって遺伝情報を書き換え、人間に超能力を与えるという、今もって不可思議なテクノロジーは、ウェルスの夢見た未来だろう。
 そしてその副作用によって狂人と化した住人たちが、日の光すら届かぬ海底世界で襲ってくるという閉塞感の恐怖。さらに異形ともいえるビッグ・ダディと出くわしたときのスリル。持ち合わせた武器と能力とシチュエーションを最大限に活用して、それらを排除していく達成感。終始FPS視点で進行するストーリーが、プレイヤーの没入感を昂ぶらせ、要所要所を飾るサイケデリックなオブジェが、そこが異質な空間であることを指し示す。
 ムービーシーンで一気にストーリーを進めるのではなく、進行中に見つかるレコーダーやオブジェクトを使用して、アクションを進行しながら物語を理解することが可能なあたりも、上手な設計だ。
 映像や設定や背景にリアリティを追求しすぎず、アメコミを立体化したような柔和なデザインでプレイヤーを誘い、そこに乗せられた恐怖演出が却って際立つという見事な方法論である。

 続編も発表され、プラコレとしてリリースされた今作。プレイされたことの無い方は、是非一度このサイエンスホラーをご堪能あれ。
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Wellsだからウェルスでも間違いではないけれど、読みとしてはウェルズのほうがオーセンティックだと思う。僕は「カフカがSFゲームの原作者ならこういう話になりそうだなあ」と思いましたが。
[ 2009/07/09 15:06 ] [ 編集 ]
なるほど、勉強不足でございました。
しかし堅いブログ書いてると博識な方がいらっしゃいますね。鍍金剥がれんよう気をつけにゃw
[ 2009/07/09 23:17 ] [ 編集 ]
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