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藪の中の楽しみ方

2014/04/20 11:44 Category:アンプラ万歳
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の中で男の死体が見つかる。第一発見者は馬も凶器も見ていないのに、馬に乗った被害者を見たと言う者がいる。捕まった盗人は自分が殺したといい、被害者の妻は自分が殺したといい、巫女の口を借りた被害者は自害したという。真相はわからぬまま、物語はふっつりと幕を下ろす。
 芥川龍之介の傑作短編『藪の中』である。
 大きく食い違いながら奇妙な一致を見せる証言。真相がありそうでなさそうな不可思議な物語世界に、迷い込んだことのある読書家も多かろう。
 題を同じくするこのゲームは、まさにそんな証言の食い違いを遊ぶゲームである。

 プレイ人数は3~4人。
 まず各プレイヤーに「この人が犯人ですチップ」(長いので以下告発チップよ呼ぶ)を、同色5枚ずつ配る。この枚数が最終的な勝敗を決する。
 容疑者カードには2~8の数字と、何も書かれていないカードがある。(3人で遊ぶ場合は、容疑者カードの2番を除ける)
 これをシャッフルし、プレイヤーに一枚ずつ配る。余った4枚のうち3枚を伏せて縦に平行に並べ、一枚を横に倒して伏せておく。
 この倒れた1枚が「被害者」であり、並んだ三枚が「容疑者」となる。
 容疑者の中で一番大きい数字が「犯人」であり、これを当てるのが目的。手札になった4枚は、アリバイがあるので容疑者にはならないということ。なお無地のカードは、何があっても犯人にはならない。
 まず各プレイヤーで自分の手札の番号を確認し、伏せて右隣のプレイヤーに渡す。そして左隣のプレイヤーから受け取ったカードを確認する。これで2枚の「アリバイ」を知る事になる。
 最近藪の中に入った事がある人が「第一発見者マーカー」を受け取りゲーム開始。いない場合はジャンケンで最初のプレイヤーを決める。
 まず第一発見者は、三人……もとい。3枚の容疑者のうち、好きな2枚を手にとって、表の数字を確認する。
 この時、他のプレイヤーに見られないようにすることと、取ったカードを必ず元通りの位置に戻すよう注意すること。
 そして容疑者の中で見なかったカードの上に「見なかったマーカー」を置く。
 するとプレイヤーは、計4枚の容疑者の情報を得られる。この情報を元に、3枚のうちどれが犯人かを推理し、犯人と思われるカードの足元に、告発チップの「目」の面を上にして置く。これで手番は終了。
 次の人(左隣のプレイヤー)は、前のプレイヤーが「告発チップ」を置いた容疑者以外の2枚の容疑者を見なければならない。同様に自分だけが見て、きちんと元の位置に戻すことに注意。
 そして犯人と思われる容疑者の足元に、告発チップの目の面を置く。
 これを順番に繰り返し、全員が告発チップを置いたら判定。容疑者カードを表に返し、一番大きい数字に告発チップを置いていた人が勝ちとなる。
 ただし、容疑者の中に「5」がいた場合に限り、どんでん返しが発生する。この時は一番小さい数字が犯人になり、これを当てた人が勝ちとなる。
 勝った人には、告発チップがそのまま払い戻される。間違えた人には、告発チップが裏返され「嘘つきチップ」となって渡される。こうなったチップはもう使えない。
 ただし、同じ犯人ではない容疑者に二人以上の人が告発チップを置いていた場合、その容疑者に最後に告発チップを置いた人が、すべてのチップを押し付けられるのだ。
 そして第一発見者を左隣に移して、ゲーム続行。
>嘘つきチップを5枚持つプレイヤー
>告発チップがなくなる
 二つのうちいずれかに該当するプレイヤーが現れた時点で、その人の負けとなりゲーム終了。嘘つきチップが一番少ない人が勝者となる。
(手元のチップの「少なさ」を競う上級ルールもある)

 やや煩雑なルールに見えるが「最初に確認する容疑者カードを回す方向と、告発チップを置く順番を逆にする」ことと「前の人が告発した容疑者は見られない」こと、そして「間違えた場合は最後に告発した人が全て被る」という3点に注意すれば、そんなに混乱はしないだろう。
 そしてこのゲームは、単なる数当てゲームではなく、ブラフゲームとしての要素も強く持っているのだ。

 例えば、あなたはゲームの初めに「3」と「7」のカードのアリバイを確認したとしよう。7は左隣から受け取ったので、左隣の人間もこれにアリバイがある事は知っている。
 そしてあなたは第一発見者として、真ん中以外の容疑者を見る。左が「4」右が「白」だった。
 このままでいくと、4より小さい数字は2しか残っておらず、犯人が真ん中のである可能性は極めて高い。素直に真ん中の容疑者に告発チップを置くのもありだろう。
 だがここで考える。このまま真ん中の容疑者を告発チップを置くと、次の番である左隣のプレイヤーは、同様に左右の容疑者を見ることになる。3にアリバイがある事を知らなかったとしても、4と白を見れば、同様に真ん中が犯人である可能性が高いことに変わりはない。当然左隣のプレイヤーも、真ん中にチップを置くだろう。
 それでも勿論問題はないのだが、ここで隣のプレイヤーに、わざとミスをさせることはできないだろうか?
 例えばここであなたは、あえて白の容疑者に告発チップを置くをしよう。
 これで左隣のプレイヤーは、白を見ることが出来なくなり、4と(恐らく4より大きいであろう)真ん中の容疑者を見る事になる。その上で、あなたがそこに告発チップを置いたという事実を考えることになる。
 彼は考えるだろう。7にアリバイがある事を知っているあなたが、真ん中にもっと大きい数字があるかもしれない可能性を排しても選んだという事は、8があそこにあるのでは?と。
 となれば当然、彼があなたと同じ場所にチップを置くことだって十分ありえるようになるのだ。
 もちろんここで左隣のプレイヤーが、手札なり真ん中の容疑者の数字に「8」を見つけていたら、この作戦は大きく窮地に立つ。真ん中の容疑者が8だったとしたら、あなたのブラフは通用せず、相手は真ん中に告発チップを置くだろうし、真ん中のカードがどんでん返しの5であったとしても、あなたがそれを見ていない以上、相手は単純にあなたが大きい数字に置いたと考えるからだ。
 ご理解いただけているだろうか?つまりこのゲームには楽しみ方が二つあるのだ。自分が確実に犯人を当てるか、誰かを騙すために嘘の告発をするか、である。

 カウンティング、ブラフ、推理、ギャンブル。シンプルな設計に様々な楽しみを凝縮した、傑作短編ゲーム。頭のいい人ほど嵌りやすいと思うので、腕に覚えのある学生諸君は是非一度お試しを。

<深読み重要度:★★★★>
<初心者歓迎度:★★>
<深読みしすぎてヤブヘビになる度:★★★★★>
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