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雑感・THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章

2014/04/06 14:35 Category:日記、雑記
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patlabor.jpg
が中学一年か二年のころだったと思う。
 友人に誘われ、ほぼ何の予備知識もなく見たパトレイバー劇場版第1作のビデオに、私はひっそりと度肝を抜かれた。
 冒頭で男が海に身を投げる。その口元に、悪魔のような笑みを湛えて。
 富士の樹海に降り立つレイバー。突然の銃撃戦。瓦解したレイバーの操縦席には、人がいない。
 二人の刑事が東京を歩く。華やかさなどとは程遠い、記憶の澱のような灰色の街を、何かを追って行く。
 アニメ……否、ロボットアニメと呼ぶにはあまりに地味で質素で的外れで、深く熱く現実的な映画だった。
 私はパトレイバ―に嵌り、アニメに嵌り、やがてゲームに嵌っていった。私のオタクとしての入り口は、紛れもなくパトレイバーだった。

 あれから二十余年。パトレイバーが復活する。アニメではない。実写としてである。

 20世紀末。ハイパーテクノロジーの急速な発達と共に、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機械『レイバー』
 それはまた、レイバー犯罪と呼ばれる新たな脅威をも生み出した。
 警視庁は本庁警備部内に、特化車両二課を新設。これに対抗する。
 通称、パトロールレイバー中隊。パトレイバーの誕生である。
 ……時は流れ21世紀。バブル崩壊後の長引く不況から、コスト面で不利なレイバーが次第に世間から葬り去られている時代。
 2002年の首都騒乱事件で一度壊滅した特車二課は、その立地を移転。運用技術の継承という名目上、第一小隊を解体して規模を縮小し、一度退役した98式AVを復帰させ、隊員を第三世代に入れ替えるなどして、首の皮一枚で存続していた。
 犯罪を起こすレイバーが減ってしまったのだから、彼らの出番などまずない。永遠とも思える待機任務に着く第二小隊。が、平穏は突如破られる。
 がなり立てる入電通報、轟くサイレン、第二小隊に出動命令が下される。
 はたして無能の三代目は、無事出動できるのか?首都東京に、SCLMの回転音が鳴り響く!

 ……と、大風呂敷を広げては見たが、内容はそこまで熱くはない。それもそのはず、本作は今後続く短編映画シリーズと、来年公開予定の長編作に向けての、第一歩に過ぎないのだ。
 ロボットアニメの実写化という試みと、新た二課の面々に馴染んでもらう、準備運動と思っていいだろう。
 なので、本作には泉も篠原も太田も進士も山崎も香貫花も(厳密には)登場しない。今の二課を構成するのは、三代目の面々なのだ。

 本作……否、本シリーズの肝といえるのが、何といっても千葉繁演じる整備班長シバシゲオと、筧利夫演じる第二小隊長の後藤田継次の存在感だろう。
 シバシゲオというキャラ自体が、千葉繁をベースに組み立てられた(名前は音響監督の斯波重治氏から)こともあり、実写化するならもうこの人しかあり得ないだろうと言うキャスティングであるし、シリーズ中で殊更強烈な個性を放った、後藤喜一のポジションを受け継ぎ、黙って立ってるだけで何かしでかしてくれそうな筧利夫のオーラは、我々の知るアニメと地続きでありながら、きちんと変わっていることを暗に教えてくれる。
 この両輪が、古参のパトファンを実写の世界にササーッと誘導するのに、最高のポテンシャルを発揮しているのだ。
 そんな両脇に支えられた新特車二課の面々は、アニメ版の面影を残しつつ別人として認識するのに丁度いい、見事なほどよさを持っている。

 そして本作のシンボルというべきパトレイバーは、我々のよく知る98式AVイングラムをベースに、改良に改造を重ねじっくりコトコト煮込まれて、今や原形もわからぬほどになっている。
 アニメで見たイングラムが見たかったんじゃー!というご意見もごもっともである。私も出来ればそれがいい。だが実写には作画の嘘は通用しないから、万が一バランスや挙動の不都合が生まれては元も子もない。何より現物としてそこにある以上、立っているだけで、動き出しそうな『実在感』を増す必要があっただろう。
 むしろ、アニメでは作画の手間から敬遠されがちな、メカメカしいゴテゴテしたディティールが、遠慮なく付けられていることに感謝したいくらいだ。
 そしてそのイングラムの駆動シーンは「さすが」の一語に尽きるのみ。
 20年前からライブアクションムービーと題し、実写とCGの競演を試みてきた押井氏と、日本のVFX技術があってこそ実現したそれは、手触りまで伝わるようである。

 そして物語を背から支える音楽は、もちろん川井憲次。劇場版1のエンディングに痺れたことがある人ならピンとくるであろう、新しそうに作っているのになつかしい川井節が、今回も押井フィルムを盛り上げている。

 劇中、第二小隊が夜の道を走るシーンがあるのだが、何故か私はそのシーンで、ああパトレイバーだ。と感じ入った。
 アニメにそんなシーンがあっただろうかと思い返しても見たが、殊更強烈におぼえてはいない。なのになぜか、ミニパトを先頭に指揮車が続き、キャリアに乗せられたイングラムが夜道を行くそのシーンに、妙な心強さを感じたのだ。
 その理由はいまだ分からない。だがもしかしたら、私はパトレイバーらしさというものを知らずのうちに、そんな何気なさの中に求めていたのかもしれない。

 ド頭からラストカットまで、みっちりパトレイバーっぽさを詰め込んで見せた、押井亭幕の内弁当とでも言いたくなる大快作。
 多感な頃に衝撃を受けたアニメが、20年の時を経て正に眼前に姿を現すなどという幸福に預かれる人間が、今後どれほど現れるだろうか?
 なに、眼前といっても同じ映像の中じゃないかって?そうではない。何を隠そう私、本シリーズにエキストラとして参加し、この目で生のイングラムを見てきたのだ。

 その話は次回、第2章が公開された時にでも語るとしよう。
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