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TGS2013に行ってきた・アオモリズム編

2013/09/21 17:33 Category:イベントレポート
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TGS前日、私のツイッターのTLに、妙な写真がアップされた。とりあえず下の写真をクリックしていただきたい。
aom.jpg

 中村隆之の名は知らずとも、彼が生み出した「もじぴったん」の名は聞いたことがあるだろう。氏はソニー、ナムコを経て、現在はコンサルティング業「中村遊び応用研究所」を主宰。その傍ら、神奈川工科大学情報工学科で特任准教授として教鞭を振っている。
 そんな彼の生徒達が、TGSにブースを出すらしい。そして上の写真がその出展タイトルだというのだ。
 一見すると、近年では見慣れた大画面アーケードゲームだが、二画面構成になっている。しかも不思議なことに、小画面が大画面の一部に被っているではないか。これではせっかくの大画面が台無しだ。
 しかし氏が語るには、これにもきちんとした意味があるらしい。いやそもそもこれは何をするゲームなのだ?青森がどうなってしまうのだ?んんん、俄然興味が湧いた。これは見に行かねばなるまい。

IMGP0746.jpg
 そして当日、学校ブースの並ぶ一角にある神奈川工科大学のブースを訪れる。写真で見たとおり、大画面にどっかり寄り添う小画面が見える。うむ、謎だ。このレイアウトの意味が分からない。
 とりあえず早速プレイさせていただく。アテンドの女子生徒曰く。
「北海道が攻めてくるので、青森で撃退するゲームです」
 ……三十余年生きてきて聞いた事が無い文章が聞こえた気がするが、百聞は一触に如かず。ゲームをスタートさせる。
IMGP0748.jpg

 ボタンは左右の二つのみ。どうやらリズムゲームであるらしい。試しに右のボタンをぽんと押すと、小画面の中の青森…否、下北半島がびょうん!と伸び、北海道に向かって華麗な右フックを放ち、左ボタンを押すと、津軽半島がばすん!と鋭い左ストレートを放った。
 私は膝から崩れ落ちた。 な ん じ ゃ こ り ゃ ぁ ! ? ! もう下北半島と津軽半島がファイティングポーズをとってるようにしか見えなくなってしまった!恐るべし神奈川工科大学!!!
 と動揺する間もなくゲームスタート。軽妙なねぷたの太鼓のリズムに乗せて、北海道から降りてくる鮭やチーズや蟹を、松前半島が右フックで叩き込んでくる。それを画面上の○と重なるタイミングで打ち返す。打ち返すごとに北海道がダメージを食らって縮小していく。
 すると今度は青森のターン。画面下から上っていく青森のりんごや、支援攻撃として飛んでくる秋田のきりたんぽや山形のさくらんぼを、またタイミングよく北海道に叩き込むのだ。
 そして最後は両者の打ち合い。上下同時に降りてくる特産品を、リズムを崩さず打ち合わなくてはならない。今までのリズムゲームになかった要素。見た目に反してけっこうタイトだ!
 そして私は、かろうじて北海道の猛攻を凌ぎ、東北の独自性と安寧を守ってみせたのであった。ううん、なんだろうこの生ぬるい達成感…。

 プレイ後、早速中村先生に疑問をぶつけてみた。わざわざ小画面を用意したわけは?
 先生の話を要約すると、最初は東北地方を模した書割の筐体に、縦にした液晶をつけただけの設計だったが、これでは北海道が攻めてくる感じが出ない。そこで筐体をプロジェクタにして、大きな北海道を映そうとしたら、今度はリズムゲーにとって致命傷である、画面と処理のズレが生まれてしまう。ならばということで、ゲームプレイの部分を液晶のまま大画面につけて、プロジェクタは演出に徹しさせようとした。とのことだ。
 合点がいった。精細さを要するパーツと大雑把なほうが(コストや演出面で)良いパーツを分別し、同じフィールドに並べてリンクさせたのだ。
 確かにプレイ中、ストレスや違和感を感じるようなズレは皆無だったし、プロジェクタ部は意識して視線を向けはしなかったものの、否応なく視界には入ってくるので、異様な迫力があったのだ。
 しかも素晴らしいのが、このゲームはUNITYで製作され、制御は一台のPCでのみ行っているという。
 何が凄いのかお分かりいただけるだろうか?つまり一台のPCで二つのモニタに出力するのみならず、互いを完全にリンクさせているのだ。UNITYに二画面出力に対応した機能はないらしく、UNITYの関係者が「どーやってんのコレ??」と聞きに来たほどだという。
 タネは至ってシンプル。相互に情報をやり取りする実行ファイルを二つつくり、同時に走らせているだけらしい。しかしこれはコロンブスの卵。発想の勝利であろう。
 他にも、独立したボタンイルミネーション演出の制御や、無人時にもデモプレイや光の点滅で客にアピールするといった、アーケードに置くことを想定して設計された機能が満載。学生の作品と侮る勿れ、設計思想からヴィジュアルまで、緻密に考え抜かれた一台なのだ。
IMGP0747.jpg
 正直に言ってしまえば、システム自体は太鼓の何某に比べ大味で、商品としては地味である。だがこの発想…既存のシステムに一見馬鹿馬鹿しい(賛辞)ノリを加味して昇華させる文法や、演出と実用を併走させる意外と革新的なインターフェイスは、とても将来性があるように思えるのだ。
 全国展開は難しいが、青森空港限定で一回百円でプレイできるとしたら、えらい受ける気がする。

 ふと思い出したのが、中村先生と同郷だという松山洋氏の言葉。
「ゲームの印象やクオリティを決めるのは背景なんです」
 他ならぬ背景が主役であるこのゲーム。案外学生達は、わかってて作ってしまったのかもしれないなあと思った。
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