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ゲームはなんだ?

2013/02/20 19:46 Category:ニュース
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野武曰く。
「文系理系と分けるのは間違っている。優れた数式は芸術的だ」
 数学の芸術性を理解する前に膝を付いた身としては、御大の言葉をほうほうと聞き入れるしかないが、不動不変の解を得た公式や定理が存在するという事自体が、不定形でつかみどころのないこの世界にも、きちんとした律が存在することを垣間見せてくれているようで愉しい。

 優れたゲームは芸術的なりや。ニューヨーク近代美術館(MoMA)が、テトリスやパックマンをはじめとする14点を、美術品として収蔵すると発表。今後もコレクションを増やしていき、最終的には40点余りを収蔵するという。
 これに対し、アート界は賛否の声が上がっているという。ある英紙の評論家は「ゲームはアートではない」とバッサリ切り捨てた。
 対するMoMAのキュレーターは「ゲームはアートでありデザインである。このデザインという側面が、今回我々がコレクションに加えた理由でもある」と返した。
 歴史が浅いゆえ、近代史に並々ならぬ敬愛と執着を持ち、そしてスープの缶詰やセックスシンボルをアートと評する寛容性を併せ持った国ならば、こうしたことも起こって当然だろうし、何よりゲームファンとして、大きな評価を賜ったことは誠に嬉しい。
 だがしかし、ここで私はあえて言いたい。ゲームはアートではない。

 えらい矛盾しているように聞こえるし、今回も説明が長くなると思うが、どうか最後まで熟読願いたい。
 まずアートとは何か?
 アートの語源の一説には、ラテン語の技巧や芸術を意味する「ars」があるそうだ。つまり何者かの手が介在し、表されたものであるという。現代のアートの意義に照らしても違和感はない。
 しかしそれだけでは足りない気がする。そこで先述の評論家の言葉を借りる。
「アートとは、個人の創造を掻き立てるものでなくてはならない」
 つまりそれを見た大多数の人間が、何か突き動かされるようでなくてはならないというわけだ。滝の飛沫と太陽光が生む虹を「大自然の芸術」と呼びたくなるのは、作為がないはずのものに突き動かされた人間の感情を上手に汲んだ言い回しなのだろう。
 ではゲームは遍く何かを突き動かすだろうか?無論ノーだ。
 いちいちオセロをやって鳥肌を立てる人はいないし、一回百円の景品ルーレットに、ハリウッド顔負けの一大叙事詩を組み込もうとするクリエータは相当珍しかろう。(こうしたものに感動するときというのは、得てしてプレイヤーの環境や経験に依るものだ。)
 だがそれもまたゲームであり、人を惹き付けて止まない。
 ではゲームそれ自体は、人を突き動かさない無機質な道具のようなものか。大いにノーだ。
 人と機械を自然に繋ぐインターフェイス、時に大胆で時に精緻極まるグラフィック、精神に刻まれるようなBGM、そしてある時は幻想世界へ、またある時は途方も無いリアルワールドへと誘ってくれるシステムとストーリー。
 そうしたものに魅了された人と、そうしたものを生み出す人によって、ゲームは四十年近く育てられてきた。
 そして極めて非生産的な活動にもかかわらず、彼らを今までそうさせたモノは、他ならぬゲームの持つ創造性であるはずだ。

 ややこしくなってきたのでまとめよう。ゲームはアートではない。ゲームは、ゲームなのだ。

 つまり、私が今回一番疑問だったのが、ゲームというもの(の一部)を、アートという括りに入れていること。アートと呼ばれることが、ゲームにとっての賛辞になってしまっていることだ。
 ゲームはゲームとして昇華されればよい。ゲームはアートか否かという論評そのものが、盛大に的外れに感じてしまったのである。

 システムとプログラムの産物であるゲーム。優れたゲームが芸術的であるという評価は、きっとクリエータにとっては大きな励みになるだろう。
 だがしかし、ゲームは他の芸術作品とは違い、ユーザーの能動性を尊重することで進化してきたメディアである。であるならば、これから進む道も評価の形態も、他のアートと異なっていてもいいように思うのだ。
 
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