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雑感・アサシンクリード3

2012/12/06 23:12 Category:ソフトレビュー
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ac3
前、このタイトルと同じUBI社がリリースしたアクションゲーム『プリンスオブペルシャ』の雑感を認めた時、アクションゲームはツンデレであるべきだとの持論を語った。
 一見難度の高そうなステージやアクションを、さり気ないデザインやカメラワークで助けてくれる絶妙な設計を指してこう述べた。
 推しも推されぬUBIの看板タイトル。その正史5作目にあたる本作を一通り終えて思うのは、良くも悪くもデレが足りないという事だった。

 遺伝子に眠る記憶を呼び起こす装置『アニムス』
 それを使い、デズモンド・マイルズの内に色濃く残る記憶を探り、先史文明の秘宝『エデンの果実』を求める二つの組織。
 人類の画一的規範による統一を目論むテンプル騎士団。そして個の自由意志を守らんとするアサシン教団。
 だが事態は、そんな人類の諍いを超越して進行していた。
 太陽フレアの爆発により、全人類が存亡の岐路に立たされようとしている。かつてそれを予見しながら回避できなかった先史文明は、壊滅を回避する最後の手段を遺していた。
 しかしそこへ至る鍵は失われて久しく、唯一の手掛かりもまた、デズモンドの中に封じられているのである。
 時は18世紀。鍵は新大陸と呼ばれて間もないあの大国の片隅で、数奇な運命に翻弄された、一人の子供に受け継がれていた…。

 シリーズファンには説明不要の、山を飛び谷を越えるフリーランアクションを主軸に、ミッション形式のストーリーを進めていく王道的箱庭アクション。
 新要素として、帆船を操り戦う海戦パートが追加された。これがなかなかに面白いので、ここだけ別のゲームとして出して欲しいところだ。
 そしてフロンティアの大自然の中で、動物を狩るハンティングの要素も追加されている。ただ遮二無二飛び掛るのではなく、いらぬ傷をつけないようハントする智恵が試される。
 またシリーズ恒例の育成パートは、今回交易という形になった。ハンティングで得た品や交易で獲得した品で、アイテムを作ったりもできる。
 メインのストーリーミッションは、人類存亡の文字通りの鍵を握る二人の主人公を操り(これくらいはネタバレにならないです)、アメリカ独立戦争の影にあった、語られることのない戦いを追体験していく。
 主目標をなぞるだけならなんとかなるが、より高いシンクロ率(スコア)を獲得するために設定された副目標に手を出すと、途端に牙をむく難易度はシリーズ屈指。
 そう、私がデレの足りなさを感じた第一の点がここなのだ。
 無論全くクリア不可能というわけではない。恐らくはその目標も達成できる設計が為されているのだと思う。だがその難度がすこぶる高く感じるのだ。

 デレの話が出たついでに、他にもデレの不足を感じた点を列挙してしまおう。
 まず新要素である交易と海戦。それ自体はわかりやすいシステムなのだが、本編にどの程度メリットがあり、また恙無くこなすにはどうすればよいのかの説明が、今一つ足りない気がしたのだ。
 事実交易モードでゲーム序盤に放った輸送隊が、クリアしてなお戻ることがなく、送り出した後の事がわからないのだ。
 私の読み込み不足もあるのかもしれないが、取説が年々薄くなっていく風潮にある昨今、この欠如感は些か目に付いてしまう。
 次に選択肢の過剰。わかりやすく言えば、フリーランニングの副作用といえるだろうか。
 例えば、壁に挟まれた一本道で、標的を真正面に捉えて追っているとする。プレイヤーはRトリガを押しながらダッシュをするだろう。こうすることで早く走れる他、多少の障害物を飛び越えたり、壁をよじ登ったりすることが出来るようになる。
 だが同時に、少し触れただけの障害物に掴まってしまったり、ジャンプした丁度そこにあった壁の突起につかまって真横を向いてしまったり、プレイヤーの意図しない行動をとる事が多々あるのだ。
 こればかりはゲームの面白さを作る上で、排除してはならない部分なのだろう。だがせめてイベントシーンにあっては、こうした弊害を取り去る工夫は出来なかっただろうか。縦横無尽に広がる道が、プレイヤーを迷わせてしまっているのが口惜しい。
 そして何よりデレ不足を感じてしまったのがストーリーだった。
 誤解が無いよう書き添えるが、それはシナリオ自体というより、演出法に不足があるように思える。語るべきところで語るものが足りなかったり、語りすぎて冗長さを感じる部分があったり、比喩や暗示が多く主文がぼやけてしまった感も否めない。
 クリアした瞬間、頭上にメタル○アの如く?マークが浮かんだのは、私だけだろうか?

 短所ばかり書いては嫌われるので、長所も同様に連ねてみる。
 まず何より海戦パート。しつこいようだが私個人は相当気に入っている。
 テンポはスローであり、暗殺というゲームの主題からもだいぶ外れはするが、風を読み敵の先手を打ち、乗組員を細胞とするひとつの生き物のように海を駆け、敵艦を枯葉の如く砕く様はなかなかに気持ちが良い。
 次にビジュアル。過去作は石と土の文明が舞台であったが、本作は木と煉瓦の文明が舞台。古くも美しい建築郡の再現度はもとより、大自然の再現に挑んだフロンティアステージの描き込みも見事。
 そしてシリーズ最大の魅力でもある、歴史のifに踏み込んだシナリオは今回も健在。ジョージ・ワシントンやベンジャミン・フランクリンといった、教科書の常連と関わりながら、歴史の影を追体験する愉悦は、歴史マニアならずともほくそ笑んでしまう。

 その開発スピードの速さはもとより、作を重ねるごとに進化する部分とかわらない部分の磨き上げが素晴らしく上がっていく、シリーズタイトルの規範のような一本。
 デレの足りないお高い仕上がりではあるようだが、攻め落とす愉悦は保障されるだろう。
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