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とりかえし

2011/11/08 18:02 Category:日記、雑記
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りかえしのつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ

 俵万智はこの歌で、名前というものの本質を詠んだ。
 名前とは奥深い。人に限らず、目に見えない事象にさえ命を宿してしまう。不景気とは目に見えないものだが、その言葉がメディアに登ると、誰もがそれを認識してしまうし、ごくごく小さなカテゴリでの流行や風潮も、名前を与えられれば突然その勢威を増長させる。

 積みゲー。
 恥ずかしながら私は、ごく最近までこの名前の意味するところを勘違いしていた。
 ソフトを買ってプレーし、クリアせずに放置してしまう行為がこれだと思っていたが、どうやら違うらしい。ソフトを買って、封すら開けずに棚に積んだまま放置することをこう呼ぶのだそうだ。
 私はこれを知って、言い様のない寂しさと、失望の念に押しつぶされそうになった。

 まず第一に、買って封すら開けないという概念が理解できなかった。私はソフトを買うと、電車の中で取説を読み、家に帰れば食事もそこそこにゲームを始めるほど、一本のゲームの購入という行為に対する熱意が強い。
 些か口幅ったく聞こえるが、数千円の買い物には、そのくらいの覚悟があって然るべきだと思う。
 第二に、その数があまりにも多いこと。
 ツイッターでぽつりとその事をつぶやいてみたら、経験者からの返信がわんさと来たのだ。ゲーマー全体で何人いるか、何本のゲームが詰まれているか、想像するだに恐ろしい。
 そして何より、その行為に対する自覚が、あまりに軽いと感じたのだ。

 積みゲーがなぜ発生するのかという原因は、各個人により様々であるようなのでここでは割愛する。しかし積みゲーにより生じる事象は、およそ纏められると思う。
 第一に…否、これがほぼすべてといっていいだろう。ソフトを手に出来ない人が現れるということだ。
 人気のある商品なら、供給が追いつかず品薄に陥るのは当然のこと。だが手にした人がそのソフトを積んでいたとしたらどうだろう?
 あなたがもし、手に出来なかった立場の人間だとしたら。手にした人が封も開けずに棚の隅にしまって置く事を、はたして納得できるだろうか?
 無論商原則上何の落ち度もない。買ったものは買った人のもの、どう扱おうが自由である。但し自由とは、他者の自由を害さない限りにおいて保障されるものである。
 何より作り手、メーカーの気持ちを慮ると、居た堪れない気持ちになるのだ。
 山のような費用と限られた時間を注ぎ込み、ユーザーの楽しみのため、自身の目指す高みのためと、一手間一手間組み上げてきたソフト。
 ようやく発売にこぎつげ、一本また一本とユーザーに届いていく。それだけでも万感の思いがあろう。
 しかしその中に、封すら解かれず積み上げられ、埃を被るソフトがあると知ったら。三年がかりで書いたユーザーへのラブレターを、受け取るだけ受けとって見向きもしないような行為が蔓延っていると知ったら…。

 繰り返すが、積む要因については追求しない。だが積んでしまうことをわかっていながら買うのはなぜか?ソフトは決して生ものではない。プレイする余裕が出来るまで、購入を待てなかった理由は何か?その一本を、プレイする時間も気持ちもある誰かに渡せなかった理由は何か?

 物や食料が溢れ、余剰分が履き捨てられたり、新商品に押されて淘汰されることも珍しくなくなった。積みゲーの正体を知り、文化すら飽和し履き棄てられているような…否、棄てずに死蔵されているのなら、それより惨い行いに見えて仕方がなかった。
 クリアしろ、などとは言わない。ゲームには向き不向きもある。あなたに合わないゲームを無理に薦めはしない。
 だがあなたが買ったそれは、自身の判断と責任において購入した、メーカーからの切ない一通の手紙である。封を解き、目を通すくらいはしてやらねば、あまりにも、あまりにも勿体無いと思わずには居られないのだ。

 名前の功罪をもう一つお教えしよう。
 法規や原則に反しない行為に名前が与えられると、どこか市民権が与えられ、ある程度容認されたような錯覚に陥ってしまうのだ。
 そのためか、古の人々はそうした行いや事象に、妖怪としての姿を与えることがあった。名を与えつつ律する気持ちの表れであったのだろう。
 積みゲーは業界を、クリエータの思いを喰う妖怪に思えてならない。律せよユーザー達よ。部屋の片隅のソフトを、そんな上等な名前で呼ぶな。
 名付ければ、その名になるのだ。
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