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書評・はるかぜちゃんのしっぽ

2011/09/02 19:27 Category:日記、雑記
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(ω)
日は久々に書評を一席。

 京都伏見稲荷に古くから伝わるみやげ物に、まんじゅう食い人形というものがある。
 昔々、ある村人が親孝行で知られた幼子に尋ねた。
「おっとぅとおっかぁ、どっちが好きじゃ?」
 するとその子は、手に持った饅頭を二つに割って村人に聞き返した。
「この饅頭、どっちがうまいかの?」
 村人は子供の機知に驚いたという。
 この故事に倣い、子供が賢い子に育つようにと願いを込めて作られたそうだ。
 歳相応のかわいげと大人顔負けの才知を備えた神童の昔話には感動したが、もしかしたらこういう子だったのかもしれないと、彼女をモニタ越しに眺めて何度か感じ入ったことがある。

 ツイッターでの饒舌雄弁な文言と、テレビで見せた恐るべき早泣きの技で話題の子役、春名風花のツイートをまとめた本が出版された。その名も『はるかぜちゃんのしっぽ』
 140文字にこだわらず、ひとつのテーマ、事象について語られたツイートを一纏めにした体裁で、彼女自身の日記のような趣である。
 目次を眺めるだけでも、彼女の非凡さが垣間見えよう。家族、仕事、学校、友だち、好きなもの、規制、ネット、日常、子供らしさ、男の子、死、震災、ルール、ぼく…。
 念のため確認するが、教育評論家の啓発本ではない。10歳の女の子が書き連ねた文言集なのだ。

 私自身もそうだが、こうした若き才能が現れるや、その非凡さにひたすら舌を巻くような大人は多い。たが彼女の呟きを具に見ていくと、そこにあるのは、何の変哲もない、ありふれた、そこらへんにいる、至極普通の10歳の女の子の姿なのだ。
 普通の10歳がGANTZを読むかといった議論はさておき、その行動原理や価値観。何に笑い何に怒るかといった基準は、全く小学生のそれなのである。
 では彼女の何が非凡さを醸すのか?答えは単純。語彙力と覚悟だ。

 覚えはないだろうか。子供の頃喧嘩をして、大人にその理由を聞かれ、いくら説明しても大人が納得する理由を説明できず、大人のもたらす合点のいかぬ結論で治められたこと…。
 臍の上辺りでもぞもぞしたあの感覚を、言葉として発露するには、10歳前後の我々は圧倒的に手持ちの言葉が足りなかったのだ。
 しかして彼女は、ガラスの仮面からGANTZに至る膨大な読書量がもたらした、恐らくは同年代の中ではトップクラスの語数がある。
 そして10歳にして芸暦10年。物心つく前から報酬の伴う労働に従事し、社会の一部として関わってきた責任と、自らの意思でその仕事に進んでいこうという覚悟がある。
 これらが備わったとき、臍の上の感覚に、語彙力により名前と原因が与えられ、それを吐露し、それに伴う結果を受け止める覚悟が追いつくと、世にも利発な饅頭童子の完成というわけである。

 ツイッターでよく彼女は、大人たちの指弾の的にされる。それもまた彼女は覚悟しているのであろうが、私は攻撃している大人のほうが、見ていて悲しくなる。
 子供は大人の言うことを聞くべしとか、子供はいい子であらねばならぬといった、曖昧模糊な価値観を押し付けたり、句読点の誤りをつくような揚げ足取りに奔走したり、生意気な餓鬼を黙らせたいというだけの理由で突っかかったり、ご苦労なことである。
 そうした人は、どこか「子供」と「大人」の間に薄墨で境界線を引いているような価値観を持っているように見える。子供と大人は違うものだというのだろうか。薄墨の上の思春期に、妄信的神聖さを求めて何になろうか。
 子供のクセに生意気だ。なんていうあなたは、大人になって何がわかったのか。子供が世の中の事象に理解を示してはならない理由があるのだろうか?是非にご説明願いたいものだ。
 大人は子供の延長に過ぎず、子供は大人と同等…否、それ以上に物事から感動と情報を獲得しようとしている。それが言葉に出来ないだけ、大人との言葉の壁にさえぎられているだけなのだ。
 彼女は大人並の言葉を獲得した子供なのだ。それはこんなにも真っ直ぐに世の中を貫ける。大人が苦悶するような問題も、饅頭程度の小道具でばっさり斬ってしまうのだ。

 曲げず飾らず欺かず、ちょっとだけ世間の不浄を知った10歳の少女が書き上げた、彼女の世界とその正体。
 児童保護者や学校教諭など、子供と関わる人には特に読んでほしい。
 これが子供に纏わるすべての問題の解である、とは口が裂けても言わないが、やはり10歳のことは10歳に聞くのが一番いいと思うのだ。
 彼女なら世の中の全てを、天下一品のこってりラーメンに例えて説いてくれそうな気がするのですん(ω)るっ。
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同感
その通り。彼女を暖かく見守りたい、と言うのは大人の勘違いかな。
[ 2011/09/03 22:03 ] [ 編集 ]
僕は見守るというより楽しみですね。
五年後十年後がどうなるか
[ 2011/09/04 23:10 ] [ 編集 ]
Twitterから
的確でセンスのある言葉を文章にして表す事がどれだけ難しいか。彼女はそこに感情も入れて表現する。魅力的という言葉は彼女のためにあるのかもしれません。娘達に読ませたくなりました。
[ 2012/12/13 22:30 ] [ 編集 ]
ATUSI
同感であります。これが真に子供らしい文言なのでしょう
[ 2012/12/21 19:46 ] [ 編集 ]
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