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書評

2010/04/01 21:14 Category:日記、雑記
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イプリルフールだからというわけではないが、懺悔の意を込めて書評を一本認める。

 恥を忍んで告白するが、私は文章を書く上で、勝手に師匠としている人物がいる。名を竹内政明という。
 氏は読売新聞の朝刊一面コラム『編集手帳』の執筆者である。日々起こる事件事象を題に、わずかなスペースにその概要と解説を見事に納め、読後にここちよさをもたらしてくれるその構成と、古今東西どんな話題にも手が届く話題の豊富さは、他の新聞コラムの中でも群を抜いていると評判だ。

 私は氏が使う、Aというニュースを語るためにBという一見無関係に思えるエピソードをまず持ち出し、実は繋がっていた両話を見事にかみ砕いてしまう手法に心底酔ってしまった。
 恐らく人に言わせれば、新聞コラムなどは大方そういった手法で編まれているのだろうが、どういうわけか氏のコラムに出会ってからというもの、私は新書版で出版されている、編集手帳の単行本ばかりを買い続けている。

『名文どろぼう』と題された本書には、氏がコラムの中で用いてきたBの文。すなわち世相を解して伝えるのに用いてきたエピソードが詰まっている。いわばネタ帳である。
 それは先人たちが残した言葉、経験した事象、または聞き拾った言葉から憲法の条文まで、珠玉の名文がそろっている。
 なんだ人の言葉拾っただけか、と侮るなかれ。日進月歩の現代に起こる事件に添える以上、または新聞という公共のメディアに乗せる以上、それは普遍的かつ共感を得られるものでなくてはならない。
 そう、これはちょっと聞こえのいい言葉を書き連ねているわけではない。時代年代世代を越えて語り継がれ得る、ほんとうの名文を揃えているのだ。

 興味を持たれた方へもうひと押し。私の好きなエピソードを紹介しよう。方言の持つ美しさを語った話である。
 詩人の川崎洋さんは、方言で書かれた詩を集めて短編集を編んだり、また自ら氏に認めもした。以下その中の一編。


 九州の飲み屋でのこと
 となりの若者が
 箸を上手に使って
 焼きガレイを見事に食べていた
 そのまま標本にできるほど

 きみ きれいに食べるね
 と声を掛ければ
 カレ こちらも見ずに
 はい ネコが月謝払って
 魚の食べ方ば習いにきよります


 頭の中で、末尾を標準語に変えてみる。面白みは大差ないが、方言だと青年の声がきこえそうな気がする。

 一章一章が短く、改行も多くて読みやすい。忙しい方や活字離れを危惧している方には、編集手帳の単行本と合わせてお勧めしたい。

 以上、宣伝を以て剽窃まがいの罪滅ぼしに変えさせていただきます。


名文どろぼう (文春新書)名文どろぼう (文春新書)
(2010/03)
竹内 政明

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