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ゲーム論説ブログ

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雑感・DESTINY

2014/09/22 21:06 Category:ソフトレビュー
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Destiny_33.jpg
風スランプの名曲「大きな玉ねぎの下で」を思い出す。
 ペンフレンド、会えないから会いたくなる、定期入れのフォトグラフ、君がいないから僕だけ寂しくて、君の返事読み返して席を立つ……。
 携帯電話やSNSによって遠くなった、実像の飢えや待ち合わせの光景を思い浮かべられる世代は、過半数を割っているだろうか?
 技術の発達が不自由を駆逐し、ほろ苦いすれ違いをなくし、恋愛物語は年々書きづらくなっているという。
 逆に技術が発達するほどに元気になっていくのが、SFではないだろうか。新たな技術がその先に来る未来の暮らしを想起させ、その空想世界で育った世代がそれを現実のものにしていく。新たな技術は次の技術にリアリティを持たせ、作品世界は得も言われぬ厚みと存在感を増していく。
 Xboxの旗艦「HALO」を生み、スペースオペラゲームを体現したBUNGIEが、新世代機のスペックと新たな論法で、次のSFFPSを描き出す。

 外宇宙より地球に到来し、驚くべき技術力をもたらし、火星と金星を容易く人類の生存圏にしてしまった存在。人類は彼らを畏敬の念を込めて、トラベラーと呼んだ。
 だが同時に、トラベラーには敵がいた。暗黒である。
 暗黒はトラベラーを、そして人類を見つけてしまう。強大な暗黒の歯牙の前に、人類の灯はついに果てるかと思われたその時、何かが起き、人類は守られた。
 わずかな生き残りとなった人類、エクソ、アウォークンの三族は、最後の都市「シティ」に暮らすのみとなった。
 なお止まぬ暗黒の力に抗い、かつて暮らした星々に残る遺産を求めるべく、トラベラーの力を使いこなす存在が不可欠となった。
 彼らは部族や性別に依らず、人々から呼ばれた。守護者(ガーディアン)と……。

 ゲームシステムはFPSそのもの。だが経験値やアイテムによるレベルアップと、装備による強化の要素が強く、RPGっぽさもある。
 ならば昨今流行のMMOかといえばさにあらず。拠点となるシティはもとより、戦闘が行われるフィールドにも、一度に配置されるプレイヤーはきわめて少ない。
 MMOはプレイヤーがサーバーを選択し、不特定多数のプレイヤーと世界を共有するが、本作はランダムにマッチされた少数のプレイヤーのみを視認できる。誤解がないように言うが、もちろんフレンドとのマッチングは可能だ。
 BUNGIE社はこれをシェアードワールドシューターと名付けた。このシステムの利点は、プレイヤー過多による敵の減少(いわゆる「狩場」の枯渇)が少なく、大規模な徒党がないため初心者が置いてけぼりにされることもない。また敵と戦っている最中に、ひょっこり手助けしてくれる人が現れたりといった、意外性によるマッチングも楽しめる。

 そしてそんな世界を彩るアイテムやギミックは、BUNGIEらしい想像がつきそうな超未来感にあふれている。
 神話的魔法的なテクノロジーと、現行文明の延長上にある未来との融和が、目の前に広がるステージに説得力を持たせている。
 超能力的要素の加味され、銃と魔法のRPGといった趣である。

  オンラインが当たり前となった昨今のゲーム。技術が発達していくほど、新しい楽しみを作り出せるのがゲームだろう。
 新しいFPS、新しいマルチ、新しいSF。その大いなる第一歩にふさわしいのではないだろうか。
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雑感・Valiant Hearts

2014/09/12 14:41 Category:ソフトレビュー
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20823568_valiant-hearts-pc-wallpaper.jpg
形劇の面白さのひとつは、余白にあるという人がいた。
 人形の表情は、あまり大きく細かくはかわらない。だが笑う芝居をさせると、人形は笑ったように見え、泣く芝居をさせると、泣いているように見える。
 喜怒哀楽を表現するにはあまりに拙いシステムが、却って見る者にそれを補完させる。精緻に描ききる事ではなく、余白を残す事で表現できる物もあるらしい。

 精緻に描く事ではなく、独特なヴィジュアルでアプローチするゲームは多くあった。ゲームの面白さを明るい絵で加速させるものや、ゲームシステムそのものを絵にゆだねるものなど様々だ。
 本作はどうだろう?線が少なく奥への動きが少ない、切り絵調のアニメーションで描かれるのは、第一次世界大戦の片隅で流れたある物語。余白が伺えるヴィジュアルに、何が描かれるのか。

 1914年。サラエボで放たれた銃弾の硝煙が、ヨーロッパじゅうに立ち籠め始めた頃。
 フランス、サン=ミエルに住む酪農家エミール。仕事と信仰と愛娘に生活を捧げていただけの男が、突如として戦場に追いやられる。
 フランス外人部隊の門を叩くアメリカ人フレディ。彼の目的は、ドイツ軍への復讐。奪われたのは、生涯をかけて愛し守ると誓った女性だった。
 フランスを強制退去させられた青年カール。彼は生まれがドイツであったというだけで、愛する妻と生まれたばかりの子供のいる酪農園を去り、その国と戦わねばならなかった。
 戦火のパリに飛び込む女性アンナ。ベルギー貴族の娘でありながら、戦災に苦しむ人を助けるため、そしてドイツ軍に捕われた父を捜すため、銃弾の飛び交う中を走る。
 一匹の軍用犬。ただ命令に忠実にあるだけの彼の存在が、この小さな物語を紡ぐ糸となる。
 人間が産み落としたこの世の地獄で、ただ必死に生きようとする人々。彼らに血の泥を掻き分け、鉄の崖をよじ登らせるのは、その身に宿ったちっぽけなValiant Hearts(勇敢な心)だった……。

 ゲームの基本は横スクロールのアクションパズル。ステージ上のオブジェクトを、操作したり除けたりしながら進んで行く。
 途中犬に指示を出したり、操作キャラを切り替えるなどをして進むのが肝の一つで、上手に頭を使わせてくれる。
 シンプルな2D調のヴィジュアルも相俟って、ターゲットとなるオブジェクトを見逃す事も少なく、オブジェクトへの指示出しがカーソルではなく、ワンボタンでできるのも、テンポよくプレイできる工夫だろう。
 2D調だからといって、表現が貧相かといえば決してそんな事はない。動きこそ紙人形のような、横軸を中心としたものだが、その表現力はセルアニメのそれにも劣らない。
 むしろレールのように一本道を進むかのような動きが、否応なくそこで展開される物語に、プレイヤーを集中させてしまうのだ。
 故に、そこで紡がれる物語はあまりにも切なく重い。好む好まざるによらず、強制的に戦火に晒される男と、命を預け合った戦友、家族のいる国と戦う青年、戦争に加担させられる父を捜す女。彼らの行く道は、夥しい火薬と死体で埋め尽くされる。
 彼らを繋ぐように有る犬でさえ、軍用犬として育成されたもの。忠実に戦いに加担する様が、時に愛くるしく、時に遣る瀬ない。
 あまりに切ないドラマがを見たプレイヤーは、デザインの余白、動きの余白を、無意識に埋め立ててしまうのだ。
 戦争ものは歴史に疎くて苦手、という方もご安心を。要所要所に挟まるTIPSで、目の前で繰り広げられる戦いの背景と、意外と知らない戦争の側面を教えてくれる。

 ゲームの進化が生んだ映像の多様化。それを正しく組み入れた、名作である。
 ゆったり時間を取って、短編小説でも読む気持ちで臨んでほしい。

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