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ゲーム論説ブログ

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noteはじめました

2014/04/23 21:56 Category:日記、雑記
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人向けのメディアプラットフォーム「note」に登録してみました。
 今後は過去記事をはじめ、新作もこちらに投稿していきます。
 このブログも続けますのでどちらもよろしくお願いします。


http://note.mu/a360
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藪の中の楽しみ方

2014/04/20 11:44 Category:アンプラ万歳
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の中で男の死体が見つかる。第一発見者は馬も凶器も見ていないのに、馬に乗った被害者を見たと言う者がいる。捕まった盗人は自分が殺したといい、被害者の妻は自分が殺したといい、巫女の口を借りた被害者は自害したという。真相はわからぬまま、物語はふっつりと幕を下ろす。
 芥川龍之介の傑作短編『藪の中』である。
 大きく食い違いながら奇妙な一致を見せる証言。真相がありそうでなさそうな不可思議な物語世界に、迷い込んだことのある読書家も多かろう。
 題を同じくするこのゲームは、まさにそんな証言の食い違いを遊ぶゲームである。

 プレイ人数は3~4人。
 まず各プレイヤーに「この人が犯人ですチップ」(長いので以下告発チップよ呼ぶ)を、同色5枚ずつ配る。この枚数が最終的な勝敗を決する。
 容疑者カードには2~8の数字と、何も書かれていないカードがある。(3人で遊ぶ場合は、容疑者カードの2番を除ける)
 これをシャッフルし、プレイヤーに一枚ずつ配る。余った4枚のうち3枚を伏せて縦に平行に並べ、一枚を横に倒して伏せておく。
 この倒れた1枚が「被害者」であり、並んだ三枚が「容疑者」となる。
 容疑者の中で一番大きい数字が「犯人」であり、これを当てるのが目的。手札になった4枚は、アリバイがあるので容疑者にはならないということ。なお無地のカードは、何があっても犯人にはならない。
 まず各プレイヤーで自分の手札の番号を確認し、伏せて右隣のプレイヤーに渡す。そして左隣のプレイヤーから受け取ったカードを確認する。これで2枚の「アリバイ」を知る事になる。
 最近藪の中に入った事がある人が「第一発見者マーカー」を受け取りゲーム開始。いない場合はジャンケンで最初のプレイヤーを決める。
 まず第一発見者は、三人……もとい。3枚の容疑者のうち、好きな2枚を手にとって、表の数字を確認する。
 この時、他のプレイヤーに見られないようにすることと、取ったカードを必ず元通りの位置に戻すよう注意すること。
 そして容疑者の中で見なかったカードの上に「見なかったマーカー」を置く。
 するとプレイヤーは、計4枚の容疑者の情報を得られる。この情報を元に、3枚のうちどれが犯人かを推理し、犯人と思われるカードの足元に、告発チップの「目」の面を上にして置く。これで手番は終了。
 次の人(左隣のプレイヤー)は、前のプレイヤーが「告発チップ」を置いた容疑者以外の2枚の容疑者を見なければならない。同様に自分だけが見て、きちんと元の位置に戻すことに注意。
 そして犯人と思われる容疑者の足元に、告発チップの目の面を置く。
 これを順番に繰り返し、全員が告発チップを置いたら判定。容疑者カードを表に返し、一番大きい数字に告発チップを置いていた人が勝ちとなる。
 ただし、容疑者の中に「5」がいた場合に限り、どんでん返しが発生する。この時は一番小さい数字が犯人になり、これを当てた人が勝ちとなる。
 勝った人には、告発チップがそのまま払い戻される。間違えた人には、告発チップが裏返され「嘘つきチップ」となって渡される。こうなったチップはもう使えない。
 ただし、同じ犯人ではない容疑者に二人以上の人が告発チップを置いていた場合、その容疑者に最後に告発チップを置いた人が、すべてのチップを押し付けられるのだ。
 そして第一発見者を左隣に移して、ゲーム続行。
>嘘つきチップを5枚持つプレイヤー
>告発チップがなくなる
 二つのうちいずれかに該当するプレイヤーが現れた時点で、その人の負けとなりゲーム終了。嘘つきチップが一番少ない人が勝者となる。
(手元のチップの「少なさ」を競う上級ルールもある)

 やや煩雑なルールに見えるが「最初に確認する容疑者カードを回す方向と、告発チップを置く順番を逆にする」ことと「前の人が告発した容疑者は見られない」こと、そして「間違えた場合は最後に告発した人が全て被る」という3点に注意すれば、そんなに混乱はしないだろう。
 そしてこのゲームは、単なる数当てゲームではなく、ブラフゲームとしての要素も強く持っているのだ。

 例えば、あなたはゲームの初めに「3」と「7」のカードのアリバイを確認したとしよう。7は左隣から受け取ったので、左隣の人間もこれにアリバイがある事は知っている。
 そしてあなたは第一発見者として、真ん中以外の容疑者を見る。左が「4」右が「白」だった。
 このままでいくと、4より小さい数字は2しか残っておらず、犯人が真ん中のである可能性は極めて高い。素直に真ん中の容疑者に告発チップを置くのもありだろう。
 だがここで考える。このまま真ん中の容疑者を告発チップを置くと、次の番である左隣のプレイヤーは、同様に左右の容疑者を見ることになる。3にアリバイがある事を知らなかったとしても、4と白を見れば、同様に真ん中が犯人である可能性が高いことに変わりはない。当然左隣のプレイヤーも、真ん中にチップを置くだろう。
 それでも勿論問題はないのだが、ここで隣のプレイヤーに、わざとミスをさせることはできないだろうか?
 例えばここであなたは、あえて白の容疑者に告発チップを置くをしよう。
 これで左隣のプレイヤーは、白を見ることが出来なくなり、4と(恐らく4より大きいであろう)真ん中の容疑者を見る事になる。その上で、あなたがそこに告発チップを置いたという事実を考えることになる。
 彼は考えるだろう。7にアリバイがある事を知っているあなたが、真ん中にもっと大きい数字があるかもしれない可能性を排しても選んだという事は、8があそこにあるのでは?と。
 となれば当然、彼があなたと同じ場所にチップを置くことだって十分ありえるようになるのだ。
 もちろんここで左隣のプレイヤーが、手札なり真ん中の容疑者の数字に「8」を見つけていたら、この作戦は大きく窮地に立つ。真ん中の容疑者が8だったとしたら、あなたのブラフは通用せず、相手は真ん中に告発チップを置くだろうし、真ん中のカードがどんでん返しの5であったとしても、あなたがそれを見ていない以上、相手は単純にあなたが大きい数字に置いたと考えるからだ。
 ご理解いただけているだろうか?つまりこのゲームには楽しみ方が二つあるのだ。自分が確実に犯人を当てるか、誰かを騙すために嘘の告発をするか、である。

 カウンティング、ブラフ、推理、ギャンブル。シンプルな設計に様々な楽しみを凝縮した、傑作短編ゲーム。頭のいい人ほど嵌りやすいと思うので、腕に覚えのある学生諸君は是非一度お試しを。

<深読み重要度:★★★★>
<初心者歓迎度:★★>
<深読みしすぎてヤブヘビになる度:★★★★★>

雑感・THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章

2014/04/06 14:35 Category:日記、雑記
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patlabor.jpg
が中学一年か二年のころだったと思う。
 友人に誘われ、ほぼ何の予備知識もなく見たパトレイバー劇場版第1作のビデオに、私はひっそりと度肝を抜かれた。
 冒頭で男が海に身を投げる。その口元に、悪魔のような笑みを湛えて。
 富士の樹海に降り立つレイバー。突然の銃撃戦。瓦解したレイバーの操縦席には、人がいない。
 二人の刑事が東京を歩く。華やかさなどとは程遠い、記憶の澱のような灰色の街を、何かを追って行く。
 アニメ……否、ロボットアニメと呼ぶにはあまりに地味で質素で的外れで、深く熱く現実的な映画だった。
 私はパトレイバ―に嵌り、アニメに嵌り、やがてゲームに嵌っていった。私のオタクとしての入り口は、紛れもなくパトレイバーだった。

 あれから二十余年。パトレイバーが復活する。アニメではない。実写としてである。

 20世紀末。ハイパーテクノロジーの急速な発達と共に、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機械『レイバー』
 それはまた、レイバー犯罪と呼ばれる新たな脅威をも生み出した。
 警視庁は本庁警備部内に、特化車両二課を新設。これに対抗する。
 通称、パトロールレイバー中隊。パトレイバーの誕生である。
 ……時は流れ21世紀。バブル崩壊後の長引く不況から、コスト面で不利なレイバーが次第に世間から葬り去られている時代。
 2002年の首都騒乱事件で一度壊滅した特車二課は、その立地を移転。運用技術の継承という名目上、第一小隊を解体して規模を縮小し、一度退役した98式AVを復帰させ、隊員を第三世代に入れ替えるなどして、首の皮一枚で存続していた。
 犯罪を起こすレイバーが減ってしまったのだから、彼らの出番などまずない。永遠とも思える待機任務に着く第二小隊。が、平穏は突如破られる。
 がなり立てる入電通報、轟くサイレン、第二小隊に出動命令が下される。
 はたして無能の三代目は、無事出動できるのか?首都東京に、SCLMの回転音が鳴り響く!

 ……と、大風呂敷を広げては見たが、内容はそこまで熱くはない。それもそのはず、本作は今後続く短編映画シリーズと、来年公開予定の長編作に向けての、第一歩に過ぎないのだ。
 ロボットアニメの実写化という試みと、新た二課の面々に馴染んでもらう、準備運動と思っていいだろう。
 なので、本作には泉も篠原も太田も進士も山崎も香貫花も(厳密には)登場しない。今の二課を構成するのは、三代目の面々なのだ。

 本作……否、本シリーズの肝といえるのが、何といっても千葉繁演じる整備班長シバシゲオと、筧利夫演じる第二小隊長の後藤田継次の存在感だろう。
 シバシゲオというキャラ自体が、千葉繁をベースに組み立てられた(名前は音響監督の斯波重治氏から)こともあり、実写化するならもうこの人しかあり得ないだろうと言うキャスティングであるし、シリーズ中で殊更強烈な個性を放った、後藤喜一のポジションを受け継ぎ、黙って立ってるだけで何かしでかしてくれそうな筧利夫のオーラは、我々の知るアニメと地続きでありながら、きちんと変わっていることを暗に教えてくれる。
 この両輪が、古参のパトファンを実写の世界にササーッと誘導するのに、最高のポテンシャルを発揮しているのだ。
 そんな両脇に支えられた新特車二課の面々は、アニメ版の面影を残しつつ別人として認識するのに丁度いい、見事なほどよさを持っている。

 そして本作のシンボルというべきパトレイバーは、我々のよく知る98式AVイングラムをベースに、改良に改造を重ねじっくりコトコト煮込まれて、今や原形もわからぬほどになっている。
 アニメで見たイングラムが見たかったんじゃー!というご意見もごもっともである。私も出来ればそれがいい。だが実写には作画の嘘は通用しないから、万が一バランスや挙動の不都合が生まれては元も子もない。何より現物としてそこにある以上、立っているだけで、動き出しそうな『実在感』を増す必要があっただろう。
 むしろ、アニメでは作画の手間から敬遠されがちな、メカメカしいゴテゴテしたディティールが、遠慮なく付けられていることに感謝したいくらいだ。
 そしてそのイングラムの駆動シーンは「さすが」の一語に尽きるのみ。
 20年前からライブアクションムービーと題し、実写とCGの競演を試みてきた押井氏と、日本のVFX技術があってこそ実現したそれは、手触りまで伝わるようである。

 そして物語を背から支える音楽は、もちろん川井憲次。劇場版1のエンディングに痺れたことがある人ならピンとくるであろう、新しそうに作っているのになつかしい川井節が、今回も押井フィルムを盛り上げている。

 劇中、第二小隊が夜の道を走るシーンがあるのだが、何故か私はそのシーンで、ああパトレイバーだ。と感じ入った。
 アニメにそんなシーンがあっただろうかと思い返しても見たが、殊更強烈におぼえてはいない。なのになぜか、ミニパトを先頭に指揮車が続き、キャリアに乗せられたイングラムが夜道を行くそのシーンに、妙な心強さを感じたのだ。
 その理由はいまだ分からない。だがもしかしたら、私はパトレイバーらしさというものを知らずのうちに、そんな何気なさの中に求めていたのかもしれない。

 ド頭からラストカットまで、みっちりパトレイバーっぽさを詰め込んで見せた、押井亭幕の内弁当とでも言いたくなる大快作。
 多感な頃に衝撃を受けたアニメが、20年の時を経て正に眼前に姿を現すなどという幸福に預かれる人間が、今後どれほど現れるだろうか?
 なに、眼前といっても同じ映像の中じゃないかって?そうではない。何を隠そう私、本シリーズにエキストラとして参加し、この目で生のイングラムを見てきたのだ。

 その話は次回、第2章が公開された時にでも語るとしよう。

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