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ゲーム論説ブログ

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ヴァーチャリアンは女子高生の夢を見るか(3)開発者インタビュー編

2014/12/03 08:00 Category:技術、ハード
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Project Morpheus体験会の一角では、ディスカッションルームが設けられており、SCEワールドワイド・スタジオ代表取締役会長の吉田修平氏と、バンダイナムコゲームズの原田勝弘プロデューサーが、参加者からの質問に答えていた。
 いわゆる「濃い」ユーザーからの質問に、両氏とも明快に答えられていた。ここにその一部を掲載する。
 
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>体験会のご感想は?
 吉田修平(以下吉田):大体想定してた感じの、良い反応です。
 原田勝弘(以下原田):早く発売してくれーみたいな反響が多かったです。

>改めてお聞きしますが、吉田さんがモーフィアスの責任者なんですか?
 吉田:開発の責任者は他にいます。私はゲーム開発グループの立場で参加している、メンバーの一人です。

>モーフィアス開発の立ち上げというのはいつ頃なんでしょう?
 吉田:VRの研究を始めたのが、4年前のPS3の時ですね。当時発売されていたHMDとPSmoveとをくっつけて、VRを作り始めたんですよ。

>既製品を組み合わせて?
 吉田:ええ。ただ当時のHMDは、映画を見るためのものだったので画角が狭く、VRとしては本格的なものじゃなかったんです。ただ頭の動きに映像を同期させることはできたので、みんなでそれを見て「面白いおもしろい」とやり始めたのが、プロジェクトのスタートですね。

>御社は1996年にHMDを発売していますね?
 吉田:あのチームとは全く関係ありません。あれは映画を個人で楽しむためのパーソナルディスプレイというコンセプトですから、VRではないんです。

>モーフィアスは民生品として開発されてるそうですが、理想の価格帯というのはお持ちですか?
 原田:そりゃ安ければ安いほどいいですよね(笑)
 吉田:PS4をお持ちの方が手軽に買える価格ですかね。今回も参加された方に、いくらだったらいいかと聞いているんです。

>僕は税込5万だったら買っちゃうかなぁ。
 吉田:そういう方多かったですね。
 原田:4、5万だったら出すって意見が多かったが、体験しちゃったから言える価格であって、個人的には4~5万では高いと思いますけどね。

>会場の方、8万でも買うっていう人挙手。
(私含めけっこう手が挙がる)
 吉田:おおーありがとうございます。
 原田:ほんとにー!?(笑)
 吉田:サマーレッスン効果ですよ(笑)

>原田さんが最初にモーフィアスを知って触ったのはいつですか?
 原田:HMDの研究自体は、僕のチームで3年前からやっています。モーフィアスは、去年の夏終わりくらいに現物見て、もう「えー!」って驚いた翌日に企画書持ち込みました。
 吉田:思い出した。去年のE3くらいから、業界の方に見せ始めてました。

>サマーレッスンの開発もその頃にスタートしたんですか。
 原田:企画書はその頃にはありました。

>今体験して、もうちょっと開発期間かけたんじゃないかなぁと思ったんですが。
 原田:開発期間は二ヶ月です。一ヶ月半で作って、半月デバッグしました。
 吉田:バンダイナムコさんのノウハウはあるわけですよね。
 原田:骨格とか表情筋とかのベースはあったので、比較的早くできたかもしれません。あと描画エンジンはアンリアルを使いました。なのでそんなに手間やお金かけなくても、面白いことバンバン出来るぞと……。
 吉田:特にユニティやアンリアルなんかを使うと早いですよ。

>原田さんが最初に見たVRは?
 原田:うちのプログラマが作った、積み木みたいなのが置かれた部屋のデモをオキュラスで見ました。その後いろんな方が作ってアップされたデモを見たり。鉄拳をオキュラスに対応させてみたりしました。

>どうでした?オキュラスでやる鉄拳は。
 原田:●●みたいなゲームができましたね(笑)一人称でやってて、目の前でボブとかが大暴れするわけですから、怖くてしょうがない(笑)

>やってみたいー!
 原田:うまいとちゃんと戦えるんですけど、弱いと浮かされて視点が上むきっぱなしになっちゃって(笑)。空しか見えないよこのゲーム!って言って、格ゲーはやめようと三年前に(笑)
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>モーフィアスはPS4とどのように繋がるんでしょう?
 吉田:PS4とHMDの間にプロセッサユニットというものがあり、PS4から映像とUSBをつなぎ、HMDに映像を送ります。

>電源はPS4とモーフィアス別になりますか?
 吉田:二つ必要になります。モーフィアスの電源はプロセッサユニットにつなぎます。

>見回しているうちにコードが邪魔になることがあると思うんですが、ワイヤレスにはなりますか?
 吉田:フルHDの映像をワイヤレスで安定して送るというのは、結構難易度が高いんです。今の技術では採用できないですね。
 原田:サマーレッスンの開発中にも、コードが体に巻きついてるやつがいました(笑)。「おー本当に部屋の中にいるー(ぐるぐる)」ってやってて女の子に呼ばれて「どこだー?(ぐるぐるぎゅう)」って(笑)

>インディーズや小規模な会社でも、モーフィアス向けにゲームが作れる環境なんでしょうか?
 吉田:はい。ユニティでオキュラス向けにゲームを作ったインディーズの方が、1日でモーフィアス対応にできたとも伺いました。

>サマーレッスン以外には何か作られてますか?
 原田:もちろんアイディアはいくつもあります。少なくともあと一本はやりたいと考えてます。(出るか出ないかを含めて)今はとてもじゃないけど言えません(笑)。今は企画を通すだけでも大変ですからね。どう商売として成り立たせるかという話にもなりますし……
 吉田:(モーフィアス自体)商品として発表してませんから、今開発されてる方は「情熱」で開発されていて。やらなければ!みたいな熱い人ばかりです。
 原田:情熱だけです!(笑)僕も社内では、評価にもならないことをやってる人間って感じです(笑)
 吉田:そういう人の中から、何年か後に「先にやってよかった!」と思える人が現れるとおもってます。

>VRでやってみたいゲームはありますか?
 吉田:私はもう、あれですよ。「P.T.」やりたいですよ。
 一同:あああああああああああああああ!
 吉田:もうね、想像しただけで怖いですよね。
 原田:誤解を恐れずにいうと、ホラーって簡単なんですよ。怖がらせるのって。だから一番喜ばせられるコンテンツなんです。(商品化したら)みんな出してくると思いますよ。怖がらせるのには向いてるデバイスなんで。
 吉田:原田さんは何かあります?やりたいゲーム。
 原田:僕は大体試しちゃってるんですけどね。逆にこれはダメだなってのも。でも先程言った格ゲーでも、面白いものが作れるかもしれないですけど、少なくとも巌流が目の前でずっと張り手を食らわせてくるとかは、まーつまらなかったですけど(笑)
 吉田:でもそれが欲しいって言ってた女性がいましたね?
 原田:いましたねえ、目の前でムキムキに暴れてほしいって方(笑)。あ、ありました実現して欲しいの。市販の360°カメラを部屋に置いてモーフィアスで繋ぐと、その部屋に行った気分になるじゃないですか。僕飲むのは好きなんですけど、飲みに行くのが面倒くさいんで(笑)、それ使って家族とか友達とか、一緒に飲んでる気分になれる。それをやりたいですね。誰か作ってくんないかな(笑)

>日本と海外で、VRに関する捉え方の違いのようなものはありますか?
 吉田:ジャーナリストの新清士さんがおっしゃってたんですが……まぁご本人も本当か嘘かわかんないけどと前置きされてましたが。欧米にとってのVRは「究極の未来の姿」なんですって。そこに一歩一歩近付いてるイメージ。日本の場合は八百万の神とかがあって、わりとその辺に神様や妖怪がいる。非現実と現実が共存しているんですって。だから欧米と違って、支配する側とされる側みたいな関係ではないんです。だから今回のサマーレッスンでもそうですけど、バーチャルアイドルなんかとも文化的に接することができるそうです。
 私もGDCで発表するまで深く考えなかったんですけど、GDCに来た日本のメディアの方の食い付きがすごかったんですね。これだぁ!みたいな。で、それから考えてみると、昔から妖怪とかバーチャルアイドルとかあるじゃないかと。日本人は未来に生きてるなあと感じました。
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 貴重な体験をありがとうございます。
 製品化の暁にはサマーレッスン同梱パックを買います!(^^)
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ヴァーチャリアンは女子高生の夢を見るか(2)Project Morpheus編

2014/12/02 08:00 Category:技術、ハード
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11月某日。東京品川にあるソニーコンピュータエンターテイメント社にて行われた、ProjectMorpheusの体験会に参加した。
 こうした体験会には珍しく、撮影やツイートなどがかなりオープンになっている。 #Moepheus #サマーレッスン などのハッシュタグでツイートが追えるので、そちらも確認されることをお勧めする。

 まずは噂のサマーレッスンをプレイ。HMD本体は、こちらも極端に重さを感じない。安定感も良好。
 開始と同時に、私は部屋の中にいた。清潔感あふれる女の子の部屋だ。辺りを見回すと、あたりまえのように周りを見回せる。
「センセ」
 後ろからの声に振り向くと、ポニーテールの少女がいた。小走りに私の前に来る。おもわず首を引いた。
 少女は赤いノートを探している。本棚の上に乗っているのに気づかないらしい。そちらに視線を向けると、少女もやっとそれに気づいた。
 斜向かいに座り、ノートを音読する少女。拙い英語の発音。と、ノートをこちらに向けて、読み方を尋ねられた。首を縦に振ると、嬉しそうに微笑んだ。
 見事、である。
 艶のあるグラフィックが滑らかに動き、視線の遷移に難なく付いてくる。先述した境目のなさが、さらに没入感を増加させる。
 傍らにアテンドの女性がいなかったら俺は何やってただろうと思うくらい、その世界に浸っていた。

 続いてAKB0048とアクエリオンのコラボから生まれたデモをプレイ。
 視点はいきなり都市の遥か上空から始まり、空中ステージに急降下。なぜか敵襲に遭い、飛び出していくアイドル達を追う。視界に不釣合いな柱が現れたと思い、上を見上げると、巨大なロボットの足だった。
 そうか、モニターというフレームが無いから、その大きさをプレイヤーに実感させられるんだと感心した。
 あれよあれよと言う間に敵を倒す。四方八方で何かしら動きがあるので、向きを変える甲斐もあるというもの。わずかな時間だったが存分に堪能できた。

 別室では、サマーレッスンを開発したバンダイナムコゲームズの原田勝弘氏と、SCEワールドワイドスタジオ会長の吉田修平氏が控え、来場者からの質問に答えていた。
 その内容は明日まとめてお届けしたい。
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 短い間にそれぞれのVRデバイスに触れたわけだが、率直な感想は、やはりVRはゲームにとって最高のデバイスであることは、間違いないということだ。
 そして視覚情報というものは、簡単に人間の身体を支配してしまうことも実感できた。
 ジェットコースターでは勝手に体を傾け、小屋に歩み寄ったときは一瞬で体が硬直し、少女が肩に触れてきたときは、肩に何も感じないことに違和感を覚えたほどだ。
 3DCGの登場と、ほぼ時同じくして生まれたVR。ハードウェアの進化と開発環境の簡素化が進んだ現代、スマホに続くゲームのオーソドックスデバイスになれるか。夢の神のみぞ知る。

ヴァーチャリアンは女子高生の夢を見るか(1)Oculis rift編

2014/12/01 08:00 Category:技術、ハード
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リシャ語で「形作るもの」を意味する名を持つ神モルペウス(モーフィアス)は、芥子の花に囲まれた黒檀のベッドで眠り、人間の夢や空想に形を与える力を持つという。
 芥子から生成され、痛みを夢のように取り去る薬物「モルヒネ」は、彼の名と伝承に由来する。
 毎度回りくどい書き出しで恐縮だが、技術者たちがこの夢を形作るのにも、相当な紆余曲折があっただろう。一度ゲームに惹かれた者なら、一度は夢見るゲームの究極形態。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)によるバーチャルリアリティ(VR)が、いよいよ手の届くところまでやって来たようだ。
 現在その双璧を成すのが、Oculus rift(オキュラス)とProject Morpheus(モーフィアス)だろう。
 幸いなことに、その両方を近い期間で試遊することができた。それぞれの特徴と感触を、出来うる限り書き記したいと思う。

 このブログではおなじみであろう、代々木ゲームルームに、オキュラスが持ち込まれた。
 個人でこれを購入した人が、わざわざ持ってきてくれたという。ありがたいことである。
 オキュラスは大きく分けて三つのパーツで構成される。頭にかぶるHMD。電源を供給するアダプター。HMDの動きをトラッキングするカメラが付属する。
 HMD本体の大きさは、少し大きめの弁当箱ほど。重さもその中に、ごはんをおかずを入れたほどだろうか。軽っ!と驚くことはないが、いきなりその重量にへこたれることもない。
 肉眼では見えないのだが、HMDの外側に赤外線を発する発光体が仕込まれており、この位置をカメラで読み取り、モーションに変換する仕組みらしい。後ろを向いたときのことを考えると、HMDにもジャイロセンサーが入っているのだろうか?
 PCとの接続は、HMD用の映像出力とUSB、カメラ用のUSBにそれぞれ接続する。
 PC側でオキュラスはサブモニタとして認識され、専用のソフトが左右の目にあわせた映像にわけ、HMDの魚眼レンズを通して見た際に普通に見えるよう、映像に逆補正をかける。
 主な仕組みはこんなところだ。現物とウィキペディアを見ただけなので過不足があるかもしれないが、委細は各自お調べ願いたい。
無題紫色の点が赤外線。肉眼では見えません。

 まずはジェットコースターのデモソフトをプレイした。
 いきなり目の前に灰色の壁が現れた。どうやら自分は前から二番目の席にいるらしく、壁に見えたのは前の座席の背もたれらしい。ここは最前列にすべきじゃないのか?と疑問を持ちつつスタート。
 車体が上がり下がり周りうねり、視界全部がダイナミックに変化する。自分でも意識しない程度の頭の動きも、しっかりトラッキングし、ラグを感じることなく反映させている。横を見れば隣の人がいて、上を見れば空になったり地面になったりする。
 気がつくと、体が自然に画面に合わせて傾いていた。いや、何かを避けたりしたわけではない。Gがかかっているであろう方向に傾かないと、なんとなく気持ち悪かったのだ。体が視覚映像に操られてしまったようだ。これが没入感というやつか。
 同じものをTVモニタでプレイしても、きっとつまらないだろう。実際こういうゲームは過去多くあった。では具体的には、何がここまで没入感をもたらすのか?

 その答えは、案外早くわかった。その次にホラーゲームのデモをプレイした時だった。
 PC向けFPSのように、キーボードで前後左右に進み、視線がHMDに連動するものだった。
 そこは真夜中の山道。か細い街灯が辛うじて道を照らし、なお弱々しい懐中電灯が、視線に合わせて行先を照らす。進むとすぐ闇に埋もれ、あてもなく向こうに見える街灯を目指す。
 上を見上げると、満天の星空。なぜか不安を煽る美しさだった。
 と、行先に小屋が見えた。4畳あるかないかの小さな小屋で、入り口にドアすらなく、壁も屋根も板張りだが、中の明かりが遠慮なく漏れるほどボロボロだった。
 ゲーム的お約束として、小屋に入ってみようとした。入り口に近づくと、中に人がいた。少女のようだ。黒髪の少女が、こちらに背を向け、向こうの壁に向かって立っている。
 嫌な予感がしたが、意を決して中に入ろうとする。その瞬間、ふっ。と小屋の明かりと少女が消えた。
 視界はおろか周囲を突然闇に覆われる。虚を突かれるとは正に是。思わず後ずさった。
 何があったかとあたりを見回す。一瞬視界の端で何かが光って消えた。呼吸が速くなる。また何かが光った。さっきより近くだ。
 小屋どころではない、あたりを彷徨うように周囲を見回す。何がいる?何が来る??今聞こえているのは誰の呼吸だ????誰がそこにいるんだ????????

 私はその時、ほぼ完璧に仮想世界に囚われたのだ。
 念のため明記するが、グラフィックの精度は、昨今のゲームにあっては大人しい部類であったし、極端にグロテスクな表現や大げさな演出もなかった。
 だがあの瞬間、少女と明かりが一瞬で消えたあの時、私は今まで感じたことのない恐怖を味わったのだ。何がそうさせたのか?
 思うに、モニタとコントローラが、ゲームに慣れた人間にとって、知らないうちに緩衝材のような役割を果たしていたのではないだろうか?
 例えばモニタ。ゲームは当然モニタに表示され、その外側には1ミリ足りとも干渉できない。そして我々は、ちょっとでも首を動かせば、モニタに映る映像と目の前にある現実との差異を感じることができる。
 そしてコントローラは、何かをしようと思った時、その行動を自分の中で指の動きに変換する必要がある。こうした作用が現実にはない行動として、プレイヤーとゲームをうまく切り離しているのだと思う。
 しかしオキュラスは、視線を動かそうと後ろを向こうと、その動きに合わせて映像が変遷し、現実との切れ目が皆無である。加えて今までは『右を向きたい→コントローラを操作→右を向く』という手順であった視点操作が『右を向きたい→右を向く』となり、本当の意味で直感的な操作になっている。そう、視覚と操作における緩衝材が、ぎりぎりまで取り払われているのだ。
 視界の全てを取り囲む映像と、プレイヤーの意識しない操作さえ拾ってしまうインターフェイス。感覚的な逃げ場がなくなった時、ゲームはゲームを超えて迫ってくるのである。
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 さて、もう一方のVRの尖兵、モーフィアスはどうだろう?
 長くなったので次回お話しする。

雑感・PlayStation Vita TV

2013/11/20 20:17 Category:技術、ハード
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いゲーム機の歴史の中で、こういった試みは初めてかもしれない。11月14日、プレイステーションファミリー最小のマシン『Play Station VitaTV』がリリースされた。
 お恥かしい話ではあるが、私自身PSVitaを発売日に先頭に並んで購入したが、最近は持ち出す機会も減ってしまっていた所である。携帯機をTV画面で遊ぶという、今まで周辺機器を買い足すことで実現することはあっても、その前提で設計されたハードはなかったと思う。甚く興味を覚えた私は、その価格の安さも手伝って購入することにした。

 まず驚くのは、その小ささと軽さだ。徳用ティーバッグのような梱包を開けた瞬間、てっきり縦に入っていると思っていた本体が、蓋の真下に平らに入っていた。しかも面積の半分強しか専有していない。なかなか驚かせてくれる梱包演出ではないか。
 本体サイズは公称で、幅65mm、長さ105mm、厚さ13.6mm。縦横はVita専用ソフトのケースより小さいのだ。重さも110gと極めて軽い。
 ハードウェアとしてのPSVitaとの違いは、画面やコントローラ、スピーカーといったインターフェイスを完全にカット。内臓バッテリも搭載せず(なのでアダプタを抜くたびに時計の設定が必要)、据置き機として再設計されている。Vitaになかった部分で言えば、HDMI、USB、そしてLAN端子がそれぞれついている。
 カードスロットは、もちろんVita用ソフトのスロットと、Vita用メモリーカードスロット。本体に1GBのメモリを内蔵しているので、セーブデータ程度ならメモリが無くても不自由は無いが、映像コンテンツを記録したり、Vitaとセーブデータを共有したい場合は重宝する。
 電源スイッチは本体背面(端子類があつまっている側)に、ボタン式のものがついている。コントローラは別売りのデュアルショック3を使う。
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 システム面でも変化は多い。メニュー画面に電源ボタンがついていたり、ネットワーク設定に有線接続の項目が付いたり、写真メニューにカメラの項目が無かったりもする。
 また映像出力の範囲と画質も変えられ、初期設定では720pになっているが、480pと1080iに変更できる。ゲーム自体はVitaの画質(960*544)に合わせているので、極端に絵が良くなるということはないが、様々な出力機器に合わせた設定ができるという事だろう。あるいはPS4のリモートプレイも可能になるらしいので、これにあわせての仕様かもしれない。
 肝心の使い心地だが、結論を言えばすこぶる良好である。
 本体と同じ日にリリースされた『ゴッドイーター2』を購入し遊んでいるのだが、画質の面ではTVサイズに広げても何らストレスは無い。
 が、Vitaの画面は人間の視野角に納まる大きさであるため、メッセージウィンドウやHUDなどの情報も一目で視界の中に入るが、大画面のTVで遊ぶと、若干視線を動かす必要が出てくる。
 もしプレイしていて違和感を感じたら、画面から離れるか、設定項目で映像出力範囲を狭めてみることをお勧めする。

 疑問に思っている方も多いと思う、Vitaの特徴とも言えるタッチスクリーンと背面タッチパネルだが、実は対応している。デュアルショック3のR3L3(スティック押し込み)がこれにあたり、L3を押すと画面を、R3を押すと背面をタッチするポインタが画面に表示され、各スティックでこれを操作できる。
 が、これはあくまで補助的な要素と捉えたほうが良い。察しの良い読者ならおわかりとは思うが、実際画面をタッチするのと、ポインタを使ってクリックするのでは勝手が違う。なので画面タッチを主体として設計されているゲームの多くは、あえてVitaTVに非対応になっている場合が多い。
 その他にも、VitaTVでは遊べないVitaタイトルがあるので、このゲームをTVで遊びたい!という目的で購入される方は、購入前に対応タイトルを調べておいた方がいい。
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 先日、何度かこのブログでも紹介している『代々木ゲームルーム』にVitaTVを持参し、プロジェクタに繋いで、何人かの参加者が持参したVitaと『ゴッドイーター2』のアドホックプレイを遊んでみた。
 大画面を皆で見ながら、手元のVitaで遊ぶというスタイルは、新鮮で面白い。観客がいるイベントのようなシーンだと、きっと盛り上がるだろう。
 ふと気付いたのだが、このシチュエーションはWiiUにも似ている気がした。共有画面と個別画面というシステムを使って、VitaTVならではのゲームは作れないだろうか?期待したい。

 まとめると、当たり前なのだが、これはPSVitaなのだ。屋外等で遊べないかわりに価格をぐっと抑え、スカパー!やDMMといった動画サービスやnasneと連携することで、リビングツールとしての機能を強化させたものなのだ。
 Vitaで満足している人には無用かも知れないが、Vitaのゲームをしたいが本体価格がネックになっている人や、ゲームを持ち出す機会は余りないなという方。家族用に手頃な二台目の購入を考えている方などには、良い選択肢に違いない。
 PS3もVitaも持っていないという方には、デュアルショック3と8GBメモリーカード、それにオンラインサービス『PSplus』の三ヶ月利用権がセットになった、バリューパックをお勧めする。
 PSplus会員専用の無料配信タイトルも充実しており、手軽に暇つぶししたいという人には大変重宝する。またVitaを持っている人には、メモリーカードの差し替えなしでセーブデータを共有できる、クラウドサービスが大変便利である。

 一万円を切る価格でVitaが遊べ、配信サービスにも対応し、ライトユーザーへのアピールも現行Vitaユーザーへの訴求力も兼ね備えた、小さな高機能マシン。
 ボーナスの使い道の一つとして、検討する価値は十分ある。

I/O

2013/05/22 21:10 Category:技術、ハード
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本時間5月22日深夜。マイクロソフトは新ハード『Xbox One』を発表した。
 本体デザインは直線主体となり、低価格PCにも似たシンプルな貌と、初代Xboxを髣髴とさせる、重厚な黒いカラーリングが特徴。そして基本セットにキネクトが同梱されたことも興味深い。
 しかし発表会で、本体に次いで発表されたのは、タイトルの話ではなく、TVとの密な連携であった。
 これは仕方がないとも言えよう。今回は北米でのアナウンスであり、国土の広い北米では地上波よりCSやCATVが主流。益々進む多チャンネル化と高画質化の流れの中、Xboxがリビングの王になるには、それらとの連携は外す事ができない。
 次いで音声操作の優位性を押し出すあたりも、リモコンやコントローラからの開放という、AV機器の夢を叶えましたというのだろう。
 ハードウェアスペックは、オクタ(8)コアCPUに8GBRAM(∞の文字が隠れている気がするのは気のせいか?)。500GBHDDにBlu-rayドライブ、HDMI入出力と、質実剛健なもの。
 お待ちかねの対応タイトルは、MSGSより先にEAがFIFA14を発表。ここは少し驚いたが、Only on Xboxと銘打っただけに、イの一番の発表は当然といったところか。
 次いでMSGSも、いきなり切り札のFORZA5を発表。しかもロンチタイトルになるという。
 個人的に注目したのが『ALAN WAKE』を放ったRemedy Entertainmentの新作『Qantum Break』だ。実写ドラマシーンとCGをシームレスに繋ぐという、ゲームがCDメディアになった頃多発したあの演出が、時を経てどう変わるのかが楽しみで仕方がない。是非担当社は死に物狂いでローカライズして頂きたい。

 さて、今こうして眠たい頭で発表会を振り返って思う事は、このハードウェアの魅力をどこまで日本で引っ張り出せるだろうかという事だ。
 8年という月日は、分進日歩のIT業界にあっては隔世というべきブランクである。故にMSはXbox Oneの性能を遺憾なく発揮できるよう、下位互換を絶った。
 超エコ志向と質素倹約を美徳とする今の日本にあって、過去のソフトが使えないというのは若干残念な部分もある。だがそれでも、Xbox Oneの底力を見れば釣りが来るという、自信の表れでもあると思う。
 しかし、依然地上波主流で、得体の知れぬカードを挟まねば見られない日本の島国TV市場で、その真価をどこまで発揮できるのだろうか?
 MSは『世界中に人々にライブ放送を提供すること』を目的と語っているが、今現在、日本でどこまで対応できるのかは不透明のままだ。
 無論これはゲーム機である。本分であるゲームの出来も注目すべきだろう。E3からTGSに続く‘13PR商戦後半戦と、国内発表に注目したい。
 

プロフィール

ATUSI

Author:ATUSI
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