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ゲーム論説ブログ

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雑感・Everybody's Gone to the Rapture -幸福な消失-

2015/08/17 22:53 Category:ソフトレビュー
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Everybodys Gone To The Rapture™ -幸福な消失-_20150812195507
ームの中に世界を作り、そこである程度の自由を保障するスタイル。いわゆるオープンワールドやサンドボックスに連なるレベルデザインは、その世界が主役である故、ステージの作り込みがそのままゲームの面白さを左右する場合があった。
 ゲームがBDに乗り、精細な画像をリアルタイムで描けるようになると、開発者達はいよいよ本格的に鎬を削り始める。メーカーが、デベロッパーが、ゲームエンジンが、世界をその中に描こうと躍起になる中、ひとつの作品が話題を攫っていった。
 元は傑作FPS『HALF LIFE 2』のMODとして生まれたアドベンチャー『Dear Esther』
 登場するやその世界観、空気感、ゲーム性が話題を呼び、数々の栄誉に浴したそのゲームを生んだ開発社「The Chinese Room」が、CRY Engineを駆使してPS4の本気を引き出そうとしている。

 イギリス、シュロップシャー。山あいに佇む村、ヨートン。1984年。
 小高い山と田園風景に包まれた明媚なこの村に、ある異変が起きた。
 家から、畑から、道から、教会から、診療所から、キャンプ場から。あらゆる場所から人が消えたのだ。
 大規模な災害の跡も、何者かに襲われた形跡もない。つい先刻まで、そこで人々が暮らし、語らい、タバコを片手に休んでいたかのように、ただ人間だけがその村から消えていた。
 あなたはこの村を歩き、村に起きた日常と疑念、愛情と裏切りの記憶を辿ることになる。
 なぜ、人は消えなければならなかったか……。

 ゲームは終始一人称視点で進行する。が、一切の武器やアイテムは持たず、ゲーム中障害や敵となるキャラは一切登場しない。
 プレイヤーができることは、歩き、ドアとを開け、時々スイッチを押し、あとは……あれは何と言えばいいのか……何かに合わせる?それだけだ。
 なので本作に、アクションゲームのような達成感やパズルのような目的を求めると、ちょっと拍子抜けするだろう。本作はいわば、村じゅうに散らばった「物語」の断片を拾い集めて読む、体験する小説のようなものなのだ。
 もちろん条件さえ満たせば、エンディングにたどり着くことはできる。だが散らばった物語は数多く、物語が起きた地点に行けばいつでも見られるので、見る順番は特に決められていない。
 またすべての要素を集めなくてもクリア可能なので、クリアできたからといって、この村の物語をすべて知ったとも限らないのだ。
 個性的なゲームなので想像しずらいかもしれないが、ショートストーリーの冊子が何冊かバラバラになったような本を想像してほしい。すべてはこの村で起きたことを語っていて、時系列にまとまってこそいないが、何冊か読んでいくと前後関係が理解でき、決められた何作かを読むと終幕の本が渡される。そんな仕組みだ。

 そしてやはり特筆すべきはグラフィック。遠くやや霞む山、木漏れ日が霧に描く白線、ややくすんだ白壁の家、アスファルトを濡らす雨、清らかな小川、なぜか其処彼処にある血痕。すべてがこれでもかと言わんばかりに描きこまれ、静寂に支配された山村の「空気」を見事に描き出している。
 これを眺めながら、気に入った風景のスクリーンショットを撮るだけでも楽しい。

 ゲーム内容を絞りきったインディーズ的デザインを、当代最高クラスのグラフィックで彩った、新感覚ストーリーウォークゲーム。
 これからの季節、夜長のお供にいかがだろうか。
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雑感・TROPCO5

2015/05/15 20:24 Category:ソフトレビュー
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2526560-trailer_tropico5_multiplayer_20140509.jpg
裁と言うと、すぐさま浮かぶ人物はアドルフ・ヒトラーだろう。20世紀初頭、狂信的支持を以ってドイツを統治した男。彼が行ったホロコーストによって殺されたユダヤ人は、400万人とも600万人とも言われ、人類史上屈指の暴君と言われる。
 では独裁とは、即ち最悪の政治体制なのか?現在では北朝鮮などが代表的な独裁国家とされるが、他にも独裁といえる国はある。
 アラブ首長国連邦の一国ドバイは、絶対君主制で王位は世襲。国民には結党の自由もない立派な独裁国家だが、観光と流通と金融を柱に、豊かで美しい国を形成している。
 独裁とは善悪を指す言葉ではない。それを用いて何を成すかが、元首の評価を左右するにすぎないのである。

 カリブ海に浮かぶ美しい島トロピコ。青い空と海に挟まれた楽園は、同時に主だった産業のない地球の田舎だった。
 そんな島に総督として赴任し「帝国」から全権を委任されたあなたは、この島を立派な「国家」に生まれ変わらせる使命を得る。
 何もない島で何すりゃいいのと呆然とするかもしれないが、土壌は肥沃で農作物や畜産物がよく育ち、穴を掘れば地下資源も掘り出せ、何の変哲もない自然は、文明圏の人々にとって最高の観光スポットになるのだ。
 しかもアメリカに近く共産圏からも遠くないこの島は、両陣営にとって捨て置けない存在でもあり、交渉次第で外貨をがっぽり稼ぐことも……。
 この島を地上の楽園にするか、銃と金で国民を隷従させるか。あなたの「独裁」は何を目指すか!?

 シリーズファンならおなじみ、サルサの流れる陽気な島で、ちょいとブラックな統治ごっこが楽しめる箱庭シムの最新作。
 ゲームの基本的な目的は、外貨を獲得すること。国を作るにゃ金がいるのだ。
 主な収入手段は、生産品を輸出すること。土地にあった農作物を作るもよし、家畜を育てて肉やミルクや毛を売ってもいい。島内の要所要所には、鉄や金などが採れる鉱脈があるので、これを掘って売ってもいい。
 働かざるもの食うべからず。島の人口が増えていけば、失業者が増えるばかり。そこで新しい働き口を作る。島で採れた原料を加工する工場を作れば、付加価値がつきより高く輸出できて一石二鳥。また観光施設や警察、軍隊なども就職先になる。
 また今回から、施設ごとに「管理者」を配置できるようになった。
 これは施設に付帯効果をつけられるもので、生産力をあげたり周囲の建築物に影響を与えたりする。管理者は限られているので、効果的な配置が求められるだろう。
 こうして島の経済サイクルを完成させ、国力を底上げしたら、いよいよ「時代」を進めることになる。
 本作ではこの「時代」という概念が、いわゆる文明レベルを指す指標になる。時代が進めば作れる施設が増え、より生産力を増すことができる。時代を進めるには一定の条件が必要で、そのためにも予算や人口は常に気を配らなくてはならない。
 そうした国家運営をどう進めていくか、というのがこのゲームのもう一つのキモ。貿易黒字を国家国民に還元するか、スイス銀行の隠し口座にドバドバ流して私腹を肥やすか、自由選挙の元で正当な元首であり続けるか、国民の行動を抑圧して政治参加を禁ずるか、すべてはあなたの自由なのだ。
 多くの政治行動は「布告」というコマンドで行う。食料の配給量増加から、医療の有料化(基本トロピコでは両方とも無償で受けられるようになっている)、感受性教育による忠誠心のコントロールから、秘密警察による反体制派の監視まで、できる事はかなり幅広く、この選択があなたの独裁の方針を決めることにもなる。
 外交も重要なコマンドだ。北米の玄関先にあるこの島は、かつて歴史を二分した陣営のどちらからも有利な位置にあり、どちらと手を組むかというのは、有利な輸出オファーを獲得したり、有事に際する集団的自衛権の行使(要は同盟国が助けに来てくれるか否か)に関して等、国の根幹を左右しかねない。

 一見様々な要素が複雑怪奇に絡まっているように見えるが、冒頭でも言ったあなたなりの施政方針を決めてしまえば、やるべきことは案外シンプルに整って見えてくる。全民平等か元首一強か、資本主義か社会主義か永世中立か、この方針を決めておけば混乱は避けられるだろう。
 布告やコマンドにはメリットとデメリットが明記されるので、自身の方針に沿って決めてしまえばいいし、国に何が不足しているかは、幸福度パラメータを見れば一目瞭然。ややこしい

 大局を見極め千年国家を築くか、私利私欲のため楽園を食い物にするか。如何様にもなるこの島であなたの独裁力が試される。いざ立たれよ!ハイル・プレジデンテ!

雑感・GIRLS MODE 3 キラキラ☆コーデ

2015/04/21 20:05 Category:ソフトレビュー
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の記事を書くにあたり、ファッションの歴史を掻い摘んで調べようとしたが、どれも19世紀あたりから書かれていた。
 そんなはずはない、と今度は「服飾史」で調べてみると、一気にローマ帝国時代まで遡れた。服飾とファッションには厳格な違いがあるようだ。
 古来、服飾や化粧には実用的な意味があった。身分標識としてはもとより、まじないとしても使われていた。それは洋の東西問わず、あらゆる文明圏で起こった習慣だ。
 粧い飾るという行為は、自身を違った何かに変える力があると、潜在的に信じられてきたのかもしれない。
 本作は、そんな服飾……否、ファッションをテーマにした珍しいゲームである。プレイヤーキャラも問答無用で女の子にされるくらい、純然たる女の子向けゲームを、37の独身おっさんゲーマーが如何な経緯でプレイすることになったかはさておくが、結論から言ってしまうと、本作は実にうまく作ってあると感心する。

 ある日、不思議な鍵で小さな世界に足を踏み入れた主人公。自分のおばあちゃんも来たというこの街「ルミナスタウン」の女の子は、日々同じ服、同じ髪型、同じメイクで過ごしていた。
 あなたはそんな街の、小さなセレクトショップを任されることになる。彼女たちがまだ知らない、おしゃれの魔法を教えるために……。

 ゲームの基本は、展示会でアイテムを仕入れ、やってくる客の求めに応じ、服や靴などのアイテムを提供したり、時に全身をコーディネートすること。
 客は基本(なぜだか知らぬが)これをくださいとは言わない。すべて店長であるあなたのセレクトに委ねられる。客は気に入ったものであれば買っていくが、気に入らなければ帰ってしまう。
 やがて店長は、メイクやヘアスタイルも任されるようになる。まさにトータルコーディネートだ。
 憎いのが演出の使い方で、客の満足度がリアクションに反映されるのだ。私の見たところでは、おそらく3段階だろうか。最下位の不満でなければお金を払って帰っていくが、一番上の大満足なリアクションを見てしまうと、及第点のリアクションがちょっと悔しいのだ。
 そしてもう一つ面白いのが、ゲームオーバーとリスクの概念がないことだ。
 お店に何を仕入れ、どういうショップにするかは、すべてあなたに委ねられる。自分の好みのアイテムだけを取り揃え、ガチのセレクトショップにするもよし。あらゆる客の要望に応えられる、ファッションの百貨店を目指すのもいい。
 お店には様々な趣味嗜好を持った客がやってくるので、アイテムの幅は広い方が有利ではある。が、すべての客に対応する必要は、必ずしもない。欲しいものがなければ、客はただ帰っていくだけだからだ。(不利とリスクは違うものなので念のため)
 ストーリーを進行させる上では、どうしても揃えなければならないジャンルはいくつかある。が、サブクエスト的に発注されるオーダーは、基本無視しても影響はない。だがそうしたオーダーをこなしていくと、扱えるブランドが増えたり、オリジナルアイテムを作る上での選択肢が広がったりする。
 プレイヤーに我が道を行くことも良しとしつつ、本作を深く広く楽しむことをさり気なく勧めてくるシステムは、ゲーマー心を心地よく擽ってくれる。

 ではファッションに精通していない人間にとって、本作はハードルの高いものになっているのではないか?答えはNoだ。
 買い揃えたアイテムは、様々な条件によって検索が可能である。購入したブランドはもとより、ポップ、クール、フェミニンといったイメージや、色、柄、価格といった条件で検索すれば、客の注文を外すことはまずない。ゲームとしてクリアしやすい親切設計だ。
 では手応えのないイージーゲームか?これもNoだ。
 ストーリーを進行する上で、あるジャンルに限定されたファッションショーを開催するのだが、このチケットを捌くため、客に満足してもらわなければならない。そう、様々な趣味嗜好を持った客にである。
 不得手なジャンルとはいえ手を出さねばならず、結果ゲームとしての難度は手頃に上がる。上手い設計ではないか。

 ゲームとして攻略することも、動く着せ替え人形として遊ぶことも許された、実は性別を問わず遊べてしまう一本。
 女の子向けだろうとタカをくくってスルーしている人がいたなら、あまりにも勿体ない。

雑感・DESTINY

2014/09/22 21:06 Category:ソフトレビュー
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風スランプの名曲「大きな玉ねぎの下で」を思い出す。
 ペンフレンド、会えないから会いたくなる、定期入れのフォトグラフ、君がいないから僕だけ寂しくて、君の返事読み返して席を立つ……。
 携帯電話やSNSによって遠くなった、実像の飢えや待ち合わせの光景を思い浮かべられる世代は、過半数を割っているだろうか?
 技術の発達が不自由を駆逐し、ほろ苦いすれ違いをなくし、恋愛物語は年々書きづらくなっているという。
 逆に技術が発達するほどに元気になっていくのが、SFではないだろうか。新たな技術がその先に来る未来の暮らしを想起させ、その空想世界で育った世代がそれを現実のものにしていく。新たな技術は次の技術にリアリティを持たせ、作品世界は得も言われぬ厚みと存在感を増していく。
 Xboxの旗艦「HALO」を生み、スペースオペラゲームを体現したBUNGIEが、新世代機のスペックと新たな論法で、次のSFFPSを描き出す。

 外宇宙より地球に到来し、驚くべき技術力をもたらし、火星と金星を容易く人類の生存圏にしてしまった存在。人類は彼らを畏敬の念を込めて、トラベラーと呼んだ。
 だが同時に、トラベラーには敵がいた。暗黒である。
 暗黒はトラベラーを、そして人類を見つけてしまう。強大な暗黒の歯牙の前に、人類の灯はついに果てるかと思われたその時、何かが起き、人類は守られた。
 わずかな生き残りとなった人類、エクソ、アウォークンの三族は、最後の都市「シティ」に暮らすのみとなった。
 なお止まぬ暗黒の力に抗い、かつて暮らした星々に残る遺産を求めるべく、トラベラーの力を使いこなす存在が不可欠となった。
 彼らは部族や性別に依らず、人々から呼ばれた。守護者(ガーディアン)と……。

 ゲームシステムはFPSそのもの。だが経験値やアイテムによるレベルアップと、装備による強化の要素が強く、RPGっぽさもある。
 ならば昨今流行のMMOかといえばさにあらず。拠点となるシティはもとより、戦闘が行われるフィールドにも、一度に配置されるプレイヤーはきわめて少ない。
 MMOはプレイヤーがサーバーを選択し、不特定多数のプレイヤーと世界を共有するが、本作はランダムにマッチされた少数のプレイヤーのみを視認できる。誤解がないように言うが、もちろんフレンドとのマッチングは可能だ。
 BUNGIE社はこれをシェアードワールドシューターと名付けた。このシステムの利点は、プレイヤー過多による敵の減少(いわゆる「狩場」の枯渇)が少なく、大規模な徒党がないため初心者が置いてけぼりにされることもない。また敵と戦っている最中に、ひょっこり手助けしてくれる人が現れたりといった、意外性によるマッチングも楽しめる。

 そしてそんな世界を彩るアイテムやギミックは、BUNGIEらしい想像がつきそうな超未来感にあふれている。
 神話的魔法的なテクノロジーと、現行文明の延長上にある未来との融和が、目の前に広がるステージに説得力を持たせている。
 超能力的要素の加味され、銃と魔法のRPGといった趣である。

  オンラインが当たり前となった昨今のゲーム。技術が発達していくほど、新しい楽しみを作り出せるのがゲームだろう。
 新しいFPS、新しいマルチ、新しいSF。その大いなる第一歩にふさわしいのではないだろうか。

雑感・Valiant Hearts

2014/09/12 14:41 Category:ソフトレビュー
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20823568_valiant-hearts-pc-wallpaper.jpg
形劇の面白さのひとつは、余白にあるという人がいた。
 人形の表情は、あまり大きく細かくはかわらない。だが笑う芝居をさせると、人形は笑ったように見え、泣く芝居をさせると、泣いているように見える。
 喜怒哀楽を表現するにはあまりに拙いシステムが、却って見る者にそれを補完させる。精緻に描ききる事ではなく、余白を残す事で表現できる物もあるらしい。

 精緻に描く事ではなく、独特なヴィジュアルでアプローチするゲームは多くあった。ゲームの面白さを明るい絵で加速させるものや、ゲームシステムそのものを絵にゆだねるものなど様々だ。
 本作はどうだろう?線が少なく奥への動きが少ない、切り絵調のアニメーションで描かれるのは、第一次世界大戦の片隅で流れたある物語。余白が伺えるヴィジュアルに、何が描かれるのか。

 1914年。サラエボで放たれた銃弾の硝煙が、ヨーロッパじゅうに立ち籠め始めた頃。
 フランス、サン=ミエルに住む酪農家エミール。仕事と信仰と愛娘に生活を捧げていただけの男が、突如として戦場に追いやられる。
 フランス外人部隊の門を叩くアメリカ人フレディ。彼の目的は、ドイツ軍への復讐。奪われたのは、生涯をかけて愛し守ると誓った女性だった。
 フランスを強制退去させられた青年カール。彼は生まれがドイツであったというだけで、愛する妻と生まれたばかりの子供のいる酪農園を去り、その国と戦わねばならなかった。
 戦火のパリに飛び込む女性アンナ。ベルギー貴族の娘でありながら、戦災に苦しむ人を助けるため、そしてドイツ軍に捕われた父を捜すため、銃弾の飛び交う中を走る。
 一匹の軍用犬。ただ命令に忠実にあるだけの彼の存在が、この小さな物語を紡ぐ糸となる。
 人間が産み落としたこの世の地獄で、ただ必死に生きようとする人々。彼らに血の泥を掻き分け、鉄の崖をよじ登らせるのは、その身に宿ったちっぽけなValiant Hearts(勇敢な心)だった……。

 ゲームの基本は横スクロールのアクションパズル。ステージ上のオブジェクトを、操作したり除けたりしながら進んで行く。
 途中犬に指示を出したり、操作キャラを切り替えるなどをして進むのが肝の一つで、上手に頭を使わせてくれる。
 シンプルな2D調のヴィジュアルも相俟って、ターゲットとなるオブジェクトを見逃す事も少なく、オブジェクトへの指示出しがカーソルではなく、ワンボタンでできるのも、テンポよくプレイできる工夫だろう。
 2D調だからといって、表現が貧相かといえば決してそんな事はない。動きこそ紙人形のような、横軸を中心としたものだが、その表現力はセルアニメのそれにも劣らない。
 むしろレールのように一本道を進むかのような動きが、否応なくそこで展開される物語に、プレイヤーを集中させてしまうのだ。
 故に、そこで紡がれる物語はあまりにも切なく重い。好む好まざるによらず、強制的に戦火に晒される男と、命を預け合った戦友、家族のいる国と戦う青年、戦争に加担させられる父を捜す女。彼らの行く道は、夥しい火薬と死体で埋め尽くされる。
 彼らを繋ぐように有る犬でさえ、軍用犬として育成されたもの。忠実に戦いに加担する様が、時に愛くるしく、時に遣る瀬ない。
 あまりに切ないドラマがを見たプレイヤーは、デザインの余白、動きの余白を、無意識に埋め立ててしまうのだ。
 戦争ものは歴史に疎くて苦手、という方もご安心を。要所要所に挟まるTIPSで、目の前で繰り広げられる戦いの背景と、意外と知らない戦争の側面を教えてくれる。

 ゲームの進化が生んだ映像の多様化。それを正しく組み入れた、名作である。
 ゆったり時間を取って、短編小説でも読む気持ちで臨んでほしい。

プロフィール

ATUSI

Author:ATUSI
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